「窓から冷気が入ってきて部屋が寒い……。このままでは暖房代が大変なことに……」
「なんとか窓を断熱したい!」
と思っても、実際どんな方法がベストなのかよくわかりませんよね。
本格的な断熱窓に交換するのは費用が高そうで、なかなか手が出せません。
手軽にDIYできる窓の断熱グッズもたくさん売られていますが、「本当に効果があるのか?」という疑問があります。
そんなあなたにとってベストな窓断熱方法が、この記事を読めば必ず見つかります。
なぜなら、筆者はあなたに暖かい快適空間を手に入れてもらうべく、自分の体と時間と会社の予算を使えるだけ使い、窓の断熱について調べ抜いたからです。
具体的には、以下の内容です。
- 断熱グッズを使った部屋を再現して効果を検証する実験
- 断熱グッズを自宅の窓に取り付けて施工のしやすさや見栄えをリポート
- 断熱窓の選び方やリフォーム費用を抑える方法をとことん調査
これらの検証や調査でわかったことのすべてを、あなたにお伝えします。
この記事を読めば、あなたは最小限の費用で最大の断熱効果を得ることができ、極寒の冬でも暖かい部屋でぬくぬく過ごせるようになります。
誰でも簡単!窓ガラスに貼る断熱グッズ
DIYでできる窓の断熱方法で代表的なのは、ガラス面に断熱効果のある素材を貼り付ける方法です。
窓は壁や扉に比べてはるかに薄いので、室内の暖まった熱はガラス面を通してどんどん外に出ています。
窓ガラスに断熱材を貼ることで、熱が外へ出ていくのを抑えることができるのです。
窓ガラスに貼る断熱材でおすすめなのが、断熱フィルムと、気泡緩衝材です。
プラダンやアルミシートなどを貼る方法もありますが、断熱フィルムや気泡緩衝材はプラダンに比べて薄い素材で扱いやすく、アルミシートに比べて窓からの採光を遮りません。
はがすのも簡単なので、賃貸住宅でも使用可能です。
のちほどより詳しくご紹介しますが、筆者がおこなった実験と検証の結果からいえば、断熱効果と見栄えを重視するなら断熱フィルム、費用と手軽さ重視なら気泡緩衝材がおすすめです。
まずはこの2種類について、それぞれ基本的な特徴とおすすめの商品をご紹介していきます。
今回筆者はショッピングサイト楽天市場に掲載されている断熱フィルムと気泡緩衝材を徹底的に調査し、価格や性能、施工しやすさなどを総合的に評価した独自ランキングを作成しました。
それぞれ栄えある第1位に輝いた筆者一押しの商品をご紹介していますので、ぜひ試してみてください。
※各商品の価格は2023年2月2日時点の本体価格(税込)です。
断熱フィルム
断熱フィルムは、薄い金属膜などを何層にも重ねることで窓ガラスを通した熱の移動をシャットアウトする断熱材です。
多くの製品は透明なので、窓の採光や眺めを遮ることがないのがメリットです。
リフレシャインは、住友理工株式会社が製造している窓用の断熱フィルムシリーズです。
サイズを指定して注文できるので、自分でカットする必要がありません。
一般的な掃き出し窓サイズの90cm×180cmに換算したときの価格は、5,957円です。
今回調査した断熱フィルム20商品を同サイズに換算すると平均価格は5,721円なので、平均的な価格といえます。
リフレシャインのシリーズには大きく分けて透明タイプとミラータイプがあり、ミラータイプのほうが安価な傾向です。
ミラータイプは断熱だけでなく夏の日差しを遮る遮熱性能も備わっていて、冬は暖かく夏は涼しく過ごせるので、1年中付けたままにしておくことができます。
ただ、施工液を使ってガラス面に接着するため、キレイに貼り付けるのはなかなか難しいというデメリットもあります。
詳しくはこのあとのリポート!DIY窓断熱をしてみた感想で実際に施工してみた筆者の感想をご紹介していますので、ぜひご覧ください。
気泡緩衝材(プチプチ)
「プチプチ(※)」と呼ばれることも多い気泡緩衝材(きほうかんしょうざい)はもともとは梱包材として使われていたものですが、窓に貼り付けると気泡が空気の層となって熱の移動を抑えてくれます。
最近は窓に貼り付けやすく断熱性もより高い構造になった、断熱材としての気泡緩衝材がたくさん登場しています。
断熱用の気泡緩衝材は、断熱シートと呼ばれることが多いです。
気泡緩衝材は粘着剤ではなく水でガラス面に貼り付けるタイプのものが多く、施工が簡単で繰り返し使えるというメリットがあります。
アウトドア用品や省エネ用品を扱っているユーザー株式会社が製造販売しているの断熱シートです。
窓の結露防止をメインにしていますが、断熱にも効果があります。
気泡緩衝材は断熱フィルムに比べて窓からの眺めや窓自体の景観を損ないがちというデメリットがありますが、こちらはネコ柄や星柄などの模様があり、窓際をかわいらしく演出することができます。
今回調査した気泡緩衝材11商品の価格を90cm×180cmサイズに換算したときの平均価格は1,708円で、ユーザーの断熱シートは平均よりも安くなっています。
断熱フィルムの平均価格は5,957円なので、気泡緩衝材は断熱フィルムと比べてお手頃な断熱グッズといえますね。
気泡緩衝材を窓に取り付けたときの実際の印象について、このあとのリポート!DIY窓断熱をしてみた感想で詳しくご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
また、窓に貼り付ける以外に窓周辺に設置することでさらに断熱効果を高められるグッズもご紹介していますので、後半の効果倍増!窓周りの断熱グッズもぜひご覧ください。
検証実験!窓断熱グッズ実際の効果
代表的な2タイプの断熱材をご紹介しましたが、「実際に使ったらどうなのか」が気になるところですよね。
そこで、実際に断熱フィルムと気泡緩衝材を購入して効果を検証する実験をおこないました。
窓のある部屋を再現した箱を作り、窓に断熱材を貼り付けて内部の温度変化を観測したのです。
その結果わかったのは、以下の2点です。
- 窓の断熱グッズにはたしかに断熱効果があった
- 気泡緩衝材よりも断熱フィルムのほうが効果が高かった
窓断熱グッズを導入するべきか、なにを選ぶべきか迷っているあなたにとって価値ある情報を詳しくご紹介しますので、ぜひご覧ください。
実験の概要
まずはどのように検証をおこなったのか概要をご紹介します。
前置きはいいからすぐに結果を見たい!という場合は、約20%の暖房代削減が期待できるへお進みください。
使用した断熱材
今回検証のために購入した断熱材は、一般的な透明の断熱フィルムと気泡緩衝材に加え、ミラータイプの断熱フィルムの3点です。
断熱フィルムを2種類用意したのは、断熱フィルムのなかには断熱だけでなく「遮熱」という言葉が使われているものが多くあったからです。
単純に考えると「断熱は寒さ対策」「遮熱は暑さ対策」と真逆のイメージがありますが、ひとつの商品にその両方がうたわれているのはなぜでしょう?
と疑問に感じたので、断熱フィルムのなかでも「暑さ対策」をメインにうたっている商品を一緒に購入して、違いがあるのか確かめてみることにしました。
実験方法
窓のある部屋を再現するために、1面にガラス窓が付いたオシャレな木製の箱を用意しました。
箱の中には温度計と、暖房器具の再現として白熱電球を設置します。
実験に使用した木箱
窓を閉めた状態で電球を点灯し、
- 断熱材がないノーマル状態
- 気泡緩衝材を貼った状態
- 断熱フィルム(透明)を貼った状態
- 断熱フィルム(ミラー)を貼った状態
それぞれの箱内部の温度変化を90分間、5分ごとに観測します。
断熱材を貼った様子
■ 気泡断熱材
■ 断熱フィルム(透明)
■ 断熱フィルム(ミラー)
果たして断熱材の有無、また断熱材の種類によって温度変化に違いがあるのでしょうか。
約20%の暖房代削減が期待できる
箱を使った検証実験の結果、いずれの断熱材にもたしかに断熱効果があることがわかりました。
断熱材なしのときとそれぞれの断熱材を貼ったときの、90分間の温度変化を観測した下のグラフをご覧ください。
観測した時間帯によって箱外の温度が違うので、箱内の温度自体ではなく、箱外と箱内の温度差を示しています。
断熱材なしのときに比べて、断熱材を付けたときには温度が高く推移しているのがわかりますね。
つまり、断熱効果が実証されたといえます。
実際に数値を見ると断熱材なしと断熱材ありとの差は2度ほどですが、これはじつは非常に大きな差です。
環境省によれば、エアコンの設定温度を1度下げると電気代を約10%削減できるからです。
窓に断熱材を導入して室温を2度高く保つことができれば、かなりの節約になるといえます。
※実験結果はすべての類似商品に同様の効果を保証するものではありません。個々の商品や使用環境によって効果は異なる場合があります。
参考:エアコンの使い方について | 家庭部門のCO2排出実態統計調査(最終閲覧日:2023年2月2日)
断熱フィルムの効果が高い
3つの断熱材による断熱効果の違いを見ると、断熱フィルム(透明)の効果がもっとも高い結果になりました。
断熱材ごとに、断熱材なしのときとの温度差を示したのが下のグラフです。
断熱フィルム(透明)がスタートダッシュを決め、終盤まで首位をキープしているのがわかりますね。
断熱材なしに比べて最高で3.1度もの差をつけています。
断熱フィルム(ミラー)はやや出遅れたものの徐々に追い上げ、最後には断熱フィルム(透明)の失速も相まって逆転優勝を飾りました。
気泡緩衝材は一貫して最下位という残念な結果でしたが、序盤で断熱フィルム(透明)と2度近い差をつけられながらも最後には先頭集団に0.2度の僅差まで迫っており、大いに健闘したといってよいでしょう。
各断熱材の断熱材なしとの温度差を数値で見ると、以下のとおりです。
窓断熱効果の比較
- 気泡緩衝材
-
- 90分経過時点
-
+1.9度
- 平均
-
+1.2度
- 最大
-
+1.9度
- 断熱フィルム(透明)
-
- 90分経過時点
-
+2.1度
- 平均
-
+2.2度
- 最大
-
+3.1度
- 断熱フィルム(ミラー)
-
- 90分経過時点
-
+2.3度
- 平均
-
+1.8度
- 最大
-
+2.7度
全体の平均や最大値を見ると、断熱フィルム(透明)の断熱効果が高いといえそうです。
拮抗してはいますが、断熱は1度の差が大きい世界なのです。
気泡緩衝材よりも、暑さ対策を推している断熱フィルム(ミラー)の効果が高い結果になったのは意外でした。
暑さ対策にも対応した断熱フィルムを導入すれば、冬は暖かく夏は涼しく過ごせて快適そうですね。
※実験結果はすべての類似商品に同様の効果を保証するものではありません。個々の商品や使用環境によって効果は異なる場合があります。
リポート!DIY窓断熱をしてみた感想
続いて、筆者自ら自宅の窓に断熱材を取り付けてみた感想をお伝えします。
断熱材は検証実験と同じ気泡緩衝材、断熱フィルム(透明)、断熱フィルム(ミラー)の3つを使用しました。
その結果わかった各断熱材の施工のしやすさ、見栄えについて詳しくご紹介していきます
筆者の実体験に基づく総合的な結論としては、
- 手軽に断熱するためなら見栄えは気にしない→気泡緩衝材がおすすめ
- 見栄えよく断熱するためなら手間を惜しまない→断熱フィルムがおすすめ
といったところです。
これからDIYで窓の断熱をしてみようと考えているあなたにとって参考になる情報が盛りだくさんですので、ぜひご覧ください。
検証の概要
施工の難易度と見栄えの検証方法は、シンプルに筆者の自宅窓に各断熱材を取り付けてみたというだけです。
窓は下のような、よくある掃き出し窓です。
我が家の窓
■ 室内から見た様子
■ ベランダから見た様子
■ 向かいから見た様子
※プライバシー保護のため、近隣住宅などの部分を黒塗り加工しています。以降の写真も同様です。
窓1枚のガラス面のサイズは幅90cm×高さ180cmで、これも平均的といってよいでしょう。
この平凡な窓が断熱材によってどんな変貌を遂げるのか、ご期待ください。
施工は気泡緩衝材のほうがしやすい
気泡緩衝材と断熱フィルムを窓に貼り付けたときの様子を、それぞれリポートします。
断熱フィルムに比べて、気泡緩衝材はかなり簡単に貼り付けられました。
気泡緩衝材の施工
窓ガラス1枚に気泡緩衝材を取り付けるのにかかった所要時間は、7分程度です。
購入した気泡緩衝材はちょうど90cm×180cmで我が家の窓とピッタリサイズだったので、カットする必要はありません。
もしカットするとしても、粒状の気泡が並んでいるタイプの気泡緩衝材は気泡に沿って切っていけばまっすぐ切れるので、簡単そうですね。
施工方法はガラス面を水で濡らして、そこへ気泡緩衝材を貼り付けるだけです。
水で濡らしたガラス面に気泡緩衝材を付けると、吸盤のように密着してピタっとくっついてくれるのです。
道具は、窓に水を吹き付ける霧吹きやスプレーが別途必要です。
結構びしょびしょにするので、床や周囲が濡れないようタオルを用意しておくと安心ですね。
ガラス面をキレイに掃除したら、霧吹きでガラス面に水滴を吹き付けます。
十分に濡らしたら、気泡緩衝材を貼っていきます。
窓とシートの間に空気が入ってしまうことがありますが、手で押さえて空気をシートの外まで逃がしてやれば簡単に直せます。
接着されているわけではないので、はがして付け直すことも可能です。
また、そもそもシート自体に気泡があるので、空気が入っていてもそれほど目立ちません。
非常に簡単なので、どんなに不器用な人でも簡単に取り付けられることでしょう。
断熱フィルムの施工
断熱フィルムの透明タイプとミラータイプは施工方法は同じなので、まとめてご紹介します。
窓ガラス1枚に断熱フィルムを取り付けるのにかかった所要時間は、30分ほどです。
気泡緩衝材に比べると工程が多く複雑なので、大きめの窓に貼るのは1人ではなかなか大変でした。
サイズを指定して注文できるシステムだったので、こちらもカットは必要ありません。
カットするとしたら、キレイにまっすぐ切るにはカッターナイフや定規を使う必要があるでしょう。
今回購入した断熱フィルムはフィルムについている粘着剤だけでなく、水で希釈した施工液でガラス面と粘着面を濡らしてくっつけ、あとから水を抜くというややこしい方法で貼るタイプでした。
商品には水を抜くのに使うスキージー(ヘラ)と、スプレーの頭部分が付属していました。
スプレーの頭は5,400円以上購入すると付いてくるおまけです。
気泡緩衝材以上に水を使うので、こちらもタオルは必須です。
まず付属している施工液をペットボトルに入れて水で希釈し、おまけのスプレーの頭をセットします。
説明書にはガラス面の掃除についてもていねいに記載されています。
透明なので、気泡緩衝材の場合より汚れが残っていると目立ちそうですね。
粘着面をカバーしている剥離フィルムを先に全部はがすと変なところにくっついてクシャクシャになってしまうので、剥離フィルムを少しずつめくりながら貼り付けていきました。
- ガラス面に施工液をスプレーする
- フィルムの剥離フィルムを少しはがす
- フィルムの粘着面に施工液をスプレーする
- フィルムをガラス面に貼る
- ヘラで水を抜く
という流れを繰り返していきます。
慣れないとどうしても気泡ができてしまって、空気を抜く作業が大変です。
空気を抜こうと何度もフィルムをヘラでこするとフィルムに癖がついて、シワになってしまいます。
筆者の場合は、結果として10mmほどの気泡やシワが4〜5ヵ所に残ってしまいました。
可能なら2人がかりで、1人が剥離紙をはがし、もう1人がフィルムを貼り付けていくなど役割分担をすると、やりやすいと思います。
見栄えは断熱フィルムのほうがよい
続いて、施工した気泡緩衝材と断熱フィルムの仕上がりを比較してみましょう。
断熱フィルムは透明タイプもミラータイプも、なにもないときと比べて窓の採光や窓からの眺めがほぼ変わらないので、断熱材を目立たせたくないという場合は断熱フィルムがおすすめです。
まずは室内から見た様子です。
それぞれ左側が断熱材を貼った窓です。
室内から見た様子
■ 気泡緩衝材
■ 断熱フィルム(透明)
■ 断熱フィルム(ミラー)
気泡緩衝材は、すりガラスのように外の景色がぼやけています。
断熱フィルム(透明)は、右側のノーマル窓と比べてもほとんど変わりがありません。
断熱フィルム(ミラー)は、若干色が付いているのがわかります。
写真では少しわかりにくいですが、気泡緩衝材を貼ったときは室内がかなり暗くなるように感じました。
色が付いている断熱フィルム(ミラー)も室内が暗くなるかと思いましたが、それほど気になりませんでした。
さらに室内から間近で見た様子をご覧ください。
室内から見た様子(接近)
■ 気泡緩衝材
■ 断熱フィルム(透明)
■ 断熱フィルム(ミラー)
やはり気泡緩衝材は粒状の気泡の存在感が強いですね。
断熱フィルム(ミラー)は近くで見ると、それほど色みを感じません。
次に、ベランダから見た様子です。
ベランダから見た様子
■ 気泡緩衝材
■ 断熱フィルム(透明)
■ 断熱フィルム(ミラー)
気泡緩衝材はすりガラスのような役目を果たし、室内がほぼ見えません。
断熱フィルム(ミラー)もやはり映り込みが多く、室内が見えにくくなっていますね。
また、断熱フィルムは画像を拡大してもらうと、ところどころ気泡やシワがあるのがわかると思います。
最後に、自宅の向かいから窓を見た様子です。
それぞれ右側が断熱材を貼った窓です。
向かいから見た様子
■ 気泡緩衝材
■ 断熱フィルム(透明)
■ 断熱フィルム(ミラー)
さすがに遠くから見ると、どの断熱材もそれほど違いがわからない印象でした。
存在感の強い気泡緩衝材も近くから見られる位置の窓でなければ、家の外観にまで影響はなさそうです。
ちなみに、貼り付けた断熱材を撤去するときは気泡緩衝材はもちろん、断熱フィルムも簡単にはがすことができました。
断熱フィルムは1ヵ月ほどたってから撤去しましたが、ガラス面にフィルムや粘着剤の跡が残ることもなく、キレイにはがせました。
これなら原状回復が必須な賃貸住宅でも、心配ありません。
効果倍増!窓周りの断熱グッズ
窓に直接貼り付ける断熱グッズをご紹介してきましたが、それだけで断熱が完璧になるとは限りません。
そこで、断熱フィルムや気泡緩衝材と併せて使うことでさらに断熱効果を高めることができるおすすめグッズを3つご紹介します。
- 断熱ボード
- 厚手のカーテン
- 隙間テープ
こちらも断熱フィルムや気泡緩衝材と同様に、ショッピングサイト楽天市場に掲載されている各グッズを調査して独自ランキングを作成しました。
ぜひご参考ください。
※各商品の価格は2023年2月2日時点の本体価格(税込)です。
断熱ボード
断熱ボードは、窓の前に設置することで窓から侵入する冷気を遮る断熱グッズです。
特に足元の冷えが気になるという場合におすすめです。
冷たい空気は下のほうへ流れるので、窓からの冷気はカーテンと床の隙間から室内に入り込み、床付近にたまります。
窓の前に断熱ボードを置けば冷気の流れを遮断できるので、冷えがちな足元を暖かく保てるのです。
こちらは窓に立てかけて手軽に使える断熱ボードです。
テープなどで固定はせず置いてあるだけなので、窓の開け閉めや出入りの際に邪魔になりません。
40cmと十分な高さがあり、より高い断熱効果を期待できます。
窓をカバーできる範囲が多いほど、断熱効果が高いのです。
厚手のカーテン
厚手のカーテンで窓と部屋を遮ることで、熱の移動を防ぐことができます。
通常よりも高密度に繊維を重ね、断熱性や遮光性、防音性などを備えた多機能カーテンがたくさんあります。
しっかり断熱はしたいけど窓周りがごちゃごちゃするのが嫌という場合におすすめです。
日差しを遮る遮光性の高いカーテンは夏場には冷房の効率もよくしてくれるので、1年をとおしてエアコン代の節約になります。
こちらは遮光率99.99%以上の1級遮光カーテンです。
遮光レベルは1~3級のため一番遮光率が高く、閉め切れば昼間でも部屋の中を暗くできます。
光を遮るだけでなく、断熱効果率57%、保温効果率32%もあります。
そのため室内の暖房効率アップが期待できます。
さらに遮音効果、遮熱効果もあるため、快適な生活の実現に一役買うでしょう。
隙間テープ
窓サッシと窓枠の間、窓と窓との間から入り込んでくる隙間風も、室内の温度を下げる大きな要因になります。
窓用の隙間テープで隙間をふさぐことで部屋の気密性を高め、温度を保てます。
窓周りからの隙間風が気になるという場合におすすめです。
隙間テープを貼ると効果的なのは、以下の箇所です。
- レール部分
- 真ん中の召し合わせ部分
- 両側の戸当たり部分
- ゴムパッキン部分
レール部分や召し合わせ部分など動きがある部分には、ブラシのような毛が付いたモヘアタイプの隙間テープがおすすめです。
モヘアテープは表面が滑りやすいので、窓の開閉の動きを邪魔しません。
対して戸当たり部分やパッキン部分には、スポンジタイプの隙間テープがおすすめです。
スポンジは押しつぶされる力に強いので、窓の開け閉めを繰り返してもヘタレにくいです。
こちらは毛の長さが1.2cmと長めになっているモヘアテープです。
毛が長いモヘアテープはしなやかに隙間にフィットするので、大きな隙間にも小さな隙間にも対応できます。
1mと長いサイズ単位で販売されているので、長さあたりの価格が安いのも特長です。
こちらはスポンジ部分の中が空洞になっているD型の隙間テープです。
戸当たりに付ける場合は、窓を閉めるときの抵抗が少ない中が空洞になっているタイプがおすすめです。
こちらの隙間テープは4色のカラーバリエーションがあり、窓枠などに合わせて色を選べばテープが悪目立ちするのを防げます。
長さは5mですが、クッションが2列になっていて分割できるので、実質10m使用できてお得です。
とことんこだわる!断熱窓にリフォーム
DIYの窓断熱もお手軽でよいですが、性能や見栄えにとことんこだわりたいなら、やはりプロの手を借りるのが一番です。
最近は断熱性能の高い窓がたくさん開発されています。
窓自体を断熱性能の高い窓にすれば、自分で断熱グッズを取り付ける手間もなく、見栄えよく窓の断熱ができます。
そんなことは言われなくてもわかっているけど、「なにを選べばよいのかわからない」「うちは賃貸だから工事は無理」「費用が高いから迷っている」といった状況ではありませんか?
そんなあなたのために、以下の3点をご紹介します。
- 効果絶大なおすすめの断熱窓の種類
- 賃貸住宅でもできる窓リフォーム
- 費用をぐっと抑えられる方法
あなたが窓のリフォームを考えていたり、これから建てる家の断熱を考えていたりするなら必見です。
複層ガラス×樹脂サッシで断熱性抜群
窓はおもにガラス板とサッシで構成されていて、それぞれにいろいろな種類があります。
家の断熱性を高めるためにおすすめなのは、複層ガラスと樹脂サッシの組み合わせです。
それぞれ特徴とメリットを解説します。
複層ガラス
複層ガラスは、1つの窓に2枚のガラス板を付け、その間に空気やガス、真空などの層を作っている窓です。
2枚のガラスと中空層があることで、従来の1枚ガラスよりも格段に熱を伝えにくくなっています。
また、ガラス板の表面に特殊な金属膜を貼り付けたLow-E(ローイー)ガラスを使った、Low-E複層ガラスという種類の複層ガラスはさらに断熱性能が高くなっています。
大手ガラスメーカーであるAGC株式会社が公表している資料によれば、通常の窓ガラスに断熱フィルムを貼ったときの年間エネルギー削減率が2.7%に対して、Low-E複層ガラスの年間エネルギー削減率は32.4%です。
つまりは、それだけ断熱性能が高いということです。
参考:窓複層化による省エネのご紹介 – 東京都環境局(最終閲覧日:2023年2月2日)
複層ガラスについては、複層ガラスのメリットと選び方のコラムでもご紹介していますので、ぜひご参考ください。
樹脂サッシ
一般的な窓に使われているサッシの素材には、アルミ、樹脂、木があります。
筆者は樹脂製のサッシか、樹脂とアルミの複合サッシをおすすめします。
この2種類は断熱性能が高く、費用も比較的手頃だからです。
樹脂はアルミに比べて、熱伝導率が約1,000分の1、つまり断熱性が1,000倍も高い素材です。
素材ごとの熱伝導率
素材 | 熱伝導率(W/m・k) |
---|---|
アルミ | 200 |
鉄 | 53 |
モルタル | 15 |
ポリ塩化ビニール(樹脂) | 0.2 |
檜・杉 | 0.12 |
参考:『プラスチック(樹脂)サッシと自立循環型住宅』奈良憲道(2006)(最終閲覧日:2023年2月2日)
上の表を見ると、樹脂よりも木材のほうがさらに熱伝導率が低いですね。
つまり樹脂サッシよりも、木製サッシのほうがさらに断熱性が高いということです。
そのうえであえて樹脂をおすすめするのは、木製サッシは輸入品を使っていることが多く、導入や修理の費用が高いデメリットがあるからです。
また、風化を防ぐために数年おきに塗装などのメンテナンスが必要です。
実際に新築住宅で使われるサッシ素材の割合データを見ると、木製のサッシはごくわずかしか普及しておらず、アルミ樹脂複合サッシと樹脂サッシが大半を占めています。
参考:日本サッシ協会2021年住宅建材使用状況調査(木造戸建て住宅)(最終閲覧日:2023年2月2日)
樹脂サッシの材料費はアルミサッシに比べれば高いですが、木製サッシよりは安いです。
耐久性も比較的高く、特別なメンテナンスは必要ありません。
また、室外側はアルミで室内側が樹脂になっているアルミ樹脂複合サッシはさらに費用が安く、断熱性もそれなりに高い、いいとこどりのサッシです。
このようにアルミ樹脂複合サッシや樹脂サッシは性能と費用のバランスがよいので、もっとも多くの住宅で選ばれているのです。
では、「アルミ樹脂複合サッシか樹脂サッシではどちらがよいの?」という疑問がわいてきますよね。
上の使用状況グラフをもう一度見ると、全国的にはアルミ樹脂複合サッシが多いですが、北海道をはじめ東北、北陸などの寒冷地は、他の地域に比べて樹脂サッシの割合が高いですよね。
アルミ樹脂複合サッシは樹脂サッシに比べて断熱性能が劣るので、寒冷地ではアルミ樹脂複合サッシでは不十分であることが多いのです。
反対に寒冷地以外では、アルミ樹脂複合サッシでも十分といえます。
つまり、北海道、東北、北陸など寒冷地では樹脂サッシ、それ以外の地域ではアルミ樹脂複合サッシがおすすめです。
賃貸住宅でも内窓なら設置可能
賃貸住宅の場合、窓をまるごと交換するような大胆なリフォームはできませんよね。
そんな賃貸住宅でもできる強力な窓の断熱方法が、内窓です。
また、持ち家の場合でも窓の交換よりも内窓設置のほうが費用が安く済むことが多いので、一度検討をおすすめします。
内窓は窓をまるごと交換するのではなく、既存の窓の前もうひとつ窓を設置して2重にする方法です。
窓を2重にすることで複層ガラスのように空気の層ができ、高い断熱効果が期待できます。
内窓なら既存の窓を撤去しなくてもよいのはもちろん、施工方法によっては窓枠などに穴や傷を付けずに取り付けることも可能です。
施工業者によって賃貸住宅への対応ができる場合とできない場合があるので、一度業者に相談してみましょう。
賃貸住宅に設置する場合の注意点は、基本的には退去時に撤去して原状回復する必要があることです。
内窓を撤去するときにも業者に依頼しないといけないので、別途撤去費用がかかってしまいます。
また、穴や傷がつかないとしても規模の大きい設備なので、大家さんなど管理者の承諾は得ておく必要があります。
大家さんによっては、撤去せずにそのまま残して退去してもよいと言ってくれる場合もありますよ。
窓断熱リフォームには補助金制度が利用可
「本当は断熱窓にしたいけど費用が高いから断念していた」「できるだけ安く断熱窓にしたい!」というあなたに朗報です。
断熱窓へのリフォームには、国から補助金がもらえる可能性があるのです。
環境省や経済産業省、国土交通省などでは、住宅の省エネ性能を高めるリフォーム費用を補助するさまざまな事業を展開しています。
二酸化炭素排出量削減や、昨今のエネルギー価格高騰による家庭への負担の軽減が目的です。
特に窓の断熱は重要視されていて、2023年には「先進的窓リノベ事業」という窓の断熱リフォームに特化した補助金制度が始まりました。
窓の断熱性能を高めるリフォーム工事に対して、その費用のなんと半額相当、最大200万円の補助金がもらえるのです。
国がここまで窓の断熱に力を入れているのは、家全体から出ていく熱のうち、58%は窓などの開口部から出ていっているからです。
参考:住宅の省エネリフォームガイドブック|東京都住宅政策本部(最終閲覧日:2023年2月2日)
つまり、窓の断熱性を高めることで、住宅全体の断熱性が大きく高まります。
断熱性が高まれば、エアコンなど暖房機器の使用量が減ります。
多くの家庭がそうなれば、強いては日本全体の省エネルギーにつながるのです。
お得に快適な住環境が手に入るうえに、社会や環境にも貢献できる素晴らしい制度ですので、ぜひ積極的に利用しましょう。
注意が必要なのは、多くの補助金制度は期間と補助金の総予算が決まっていることです。
先進的窓リノベ事業の場合、対象期間は2023年12月31日の契約までで、総予算額は1,000億円です。
期間内でも、総予算額に達したときには補助金制度は終了になります。
そのため、魅力的な補助金制度には申請が殺到して、期間よりもはるかに早く終了してしまうことがよくあるのです。
先進的窓リノベ事業の場合、補助金をもらうために私たち消費者は特に申請をする必要はありません。
この補助金は窓リフォームの工事業者が登録・申請するシステムなのです。
そのため、あなたがすべきなのは、先進的窓リノベ事業に登録している窓の施工業者を見つけて依頼することです。
先進的窓リノベ事業の公式サイトから、登録している事業所を検索できますよ。
断熱窓のことなら「ガラス110番」にご相談ください!
「補助金を利用できる業者に頼みたいけど、どこを選べばいいのかわからない」
「どんな窓がベストな断熱になるのか自分では判断できない」
という場合は、ぜひ当サイト【ガラス110番】にご相談ください。
ガラス110番は、窓施工のプロをご紹介するサービスです。
さまざまな技術を持った数多くの施工業者と提携を結んでいますので、弊社の窓口でご要望を聞かせていただけば、対応できるあなたにピッタリの業者をすぐにご紹介します。
ご相談はもちろん、現地での見積りも原則無料(※)で承っていますので、「まずは話だけ聞きたい」「料金を見てからじっくり考えたい」というご希望も大歓迎です。
無料相談窓口では24時間365日ご相談を受け付けていますので、ぜひ今すぐ画面下の電話番号かメールでお気軽にお問い合わせください。
※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様の了承をいただいた上で、調査費用等をいただく場合がございます。
まとめ
DIYで窓の断熱をしたい場合、断熱性と見た目重視なら断熱フィルムがおすすめです。
なるべくなら2人以上で取り付けたほうが、キレイに仕上がりますよ。
手軽さと費用重視なら、気泡緩衝材も効果的です。
見栄えは少々気になりますが、簡単に取り付けられ、繰り返し使えて経済的です。
断熱ボードや隙間テープなどのグッズと併用すると、より断熱効果が高まります。
本格的に断熱窓にするなら、ガラスは複層ガラス、サッシは樹脂サッシかアルミ樹脂複合サッシを選びましょう。
寒冷地などでより高い断熱性を求めるなら、樹脂サッシをおすすめします。
断熱窓のリフォームには、国の補助金が使えます。
補助金は早い者勝ちですので、早めに検討しましょう。
どこの業者を選べばよいかわからないときは、当サイト【ガラス110番】が全力でお手伝いしますよ。