「BSアンテナの設置って自分でできないかな?」
BSアンテナを設置する作業は、家具の組み立てができる人なら自分でできるくらい簡単です。
実際に、当サイトアンテナ110番の編集部スタッフが市販のBSアンテナをベランダに取り付けてみたところ、問題なく設置できました。
ただし、BSアンテナ設置の前には、ご自宅の設置場所の電波環境を確認することがとても重要です。
というのも、アンテナの設置自体はできても、BS放送の電波を受信できないこともあるからです。
そこでこの記事では、BSアンテナの設置場所や自分でできる条件、作業手順を解説します。
この記事を読めばBSアンテナ設置の手順がよくわかり、費用を抑えてBSアンテナを取り付けられるでしょう。
BSアンテナの設置はベランダなら自分でもできる
BSアンテナの設置は、ベランダの手すりになら自分でもできます。
実際に、当サイトアンテナ110番の編集部でも挑戦してみましたが、比較的簡単に取り付けることができました。
一方、屋根上や外壁への設置を自分でおこなうことはおすすめできません。
高所からの転落の危険や、屋根や外壁を傷つけてしまうおそれがあるからです。
まずは、ご自宅のベランダが下記の条件に当てはまるか確認してみましょう。
- 手すりの形が一般的な格子状
- 手すりにぐらつきやサビなどの劣化がない
- BS放送の電波が十分届いている
ベランダの手すりが特殊な形状の場合、専用のベランダ取付金具が取り付けられないおそれがあります。
また、手すりが劣化していると強度が足りず、BSアンテナが落下する危険性があります。
他の場所への設置を検討するか、先に手すりの修繕をおこないましょう。
そして、もうひとつ大事なのがBS放送の電波が十分に届いていることです。
BSの電波が届くのは昼2時に直射日光が当たる場所
昼の2時頃に直射日光が当たる場所なら、BS放送の電波が届いている可能性が高いです。
BS放送の電波を発信している人工衛星は、春分・秋分の午後2時頃の太陽と同じ方向にあるからです。
これは、方角でいうと南西です。
太陽の高さは季節で変わりますが、1年を通して午後1時~3時頃に日陰にならない場所なら、BSの電波も遮られず届くと考えてよいでしょう。
BS放送の人工衛星の方向は、「BSコンパス」というアプリでも確認できます。
こちらのアプリは、BSアンテナの方向を調整する際にも役立ちます。
残念ながらご自宅のベランダが設置条件を満たしていないなら、プロに依頼して屋根上や外壁にBSアンテナを設置してもらうことをおすすめします。
お近くのアンテナ設置のプロをお探しなら、アンテナ110番にご相談ください。
プロが電波状況を調査し、最適な設置場所をご提案いたします。
【動画あり】BSアンテナ設置の手順
BSアンテナ設置は、以下の手順で進めます。
アンテナ110番編集部スタッフが実際に設置作業をしている動画や写真とともに、それぞれ詳しく解説していきます。
BSアンテナは、大手アンテナメーカーのDXアンテナ様にご協力いただき、【45形BS・110度CSアンテナセット(インジケーター付)「BC453SCK」】を使用しています。
BC453SCKのセット内容
作業時の注意点
- 取扱説明書を確認する
-
実際の作業時には、購入したBSアンテナの取扱説明書の記載に従って作業をしてください。
商品によって手順が異なる場合があります。 - 2人以上で作業する
-
1人よりも2人以上のほうが、作業が安全でスムーズです。
BSアンテナ本体は2kg近くの重量があるので、誤って落とすなどすると大変危険です。
また、電波の受信状況をチェックする作業は、1人だと手間がかかります。 - 晴れた日におこなう
-
なるべく晴れた日のほうが、アンテナの角度を調整しやすいです。
雨の日はBS放送の電波が受信しにくくなります。
BSアンテナ本体を組み立てる
設置場所に固定する前に、BSアンテナ本体を組み立てておきます。
BSアンテナ本体は、反射板とコンバーターアームに分かれた状態で販売されています。
下記の手順で組み立てて、同軸ケーブルも取り付けておきましょう。
反射板の裏面の金具にコンバーターアームを差し込み、ボルトで固定します。
コンバーターアーム先端の機器(コンバーター)が反射板の前面にくるのが正しい向きです。
逆向きに取り付けないよう注意しましょう。
反射板の縦方向の向きを、BSアンテナ本体に記載されている地域ごとの角度に調整します。
金具部分の目印がお住まいの地域の位置に合うように、手元の金具をスライドさせましょう。
位置を合わせたら、ボルトを締めて固定します。
BSアンテナ本体に接続する同軸ケーブルを、雨水の侵入を防ぐ防水キャップに通しておきます。
防水キャップの向きを間違えないように確認しましょう。
同軸ケーブル先端の端子を、コンバーターの下側にある端子に差し込みます。
ナットを締めて固定しましょう。
さらに、通してあった防水キャップをコンバーターにはめ込みます。
このとき、防水キャップの上から防水テープなどを巻き付けないでください。
テープの周囲に水がたまり、漏電などの原因になります。
接続した同軸ケーブルを、コンバーターアームの下側に結束バンドで固定します。
ケーブルが風などで外れるのを防ぐためです。
コンバーターアームに専用のフックが付いている場合は、そこに固定しましょう。
このとき、ケーブルはコンバーターアームにぴったり添わせるのではなく、たわませておくのがポイントです。
ケーブルを引っ張った状態で固定すると防水キャップが曲がったり隙間ができたりして、雨水が侵入することがあります。
ベランダの手すりにBSアンテナを取り付ける
ベランダの手すりに取付金具をセットし、そこへBSアンテナ本体を取り付けます。
スムーズに設置できるよう、ベランダ用の取付金具を途中まで組み立てておきます。
金具の向きを確認して、上部分のボルトを仮締めしておきましょう。
取付金具をベランダの手すりを挟み込んでセットし、下部分のボルトを締めます。
仮締めしてあった上部分のボルトも締めてしっかりと固定します。
このとき、金具が傾いていないか水平器などを使ってチェックしましょう。
ベランダに設置した取付金具のポール部分に、BSアンテナ本体の背面にある金具を通します。
BSアンテナ本体背面の金具のボルトを仮締めします。
このあとアンテナの向きを調整するので、ボルトは余裕を持たせて締めておきましょう。
ケーブルをテレビまで配線する
BSアンテナに接続した同軸ケーブルを室内に引き込み、テレビまで配線します。
ケーブルの引き込み方法はいくつかありますが、もっとも簡単なのは壁内配線済みのアンテナ引き込み口につなぐ方法です。
BSアンテナと引き込み口、部屋の壁にあるアンテナ端子とテレビをつなぐだけで配線できます。
壁内配線済みの引き込み口がない場合は、フラットケーブルを使って窓の隙間から引き込む方法なら手軽にできます。
窓サッシのデコボコに添わせるように、フラットケーブルを折っておきます。
このとき、何度もフラットケーブルを折り曲げないようにしましょう。
繰り返し折り曲げると、内部の導線が断線することがあります。
サッシにケーブルを置いた状態で窓を閉めてみて、問題なく閉まるか確認します。
フラットケーブルに両面テープを付け、サッシと壁面に貼り付けます。
BSアンテナに接続してある同軸ケーブルを、フラットケーブルの室外側の端子に接続します。
フラットケーブルの室内側の端子に同軸ケーブルを接続します。
室内側に接続した同軸ケーブルの反対側の端子を、テレビやレコーダーの「BS/CS110度」の端子に接続します。
このあとの角度調整の作業でインジケータ―を使用する場合は、室外側の同軸ケーブルの途中にインジケーターを接続しておきましょう。
ブースターや分配器などの周辺機器が必要な場合も、配線時に接続しておきます。
フラットケーブルを通すのは、できるだけ開け閉めが少ない窓にしてください。
頻繁に開け閉めする場所だと、ケーブルの劣化が早まります。
テレビ/レコーダーから電源を供給する
BSアンテナとテレビやレコーダーを接続したら、テレビやレコーダーからBSアンテナに電源を供給する設定をします。
BSアンテナ自体には電源コードなどがないので、基本的にはテレビやレコーダーから電源を送る必要があります。
テレビやレコーダーのリモコンを操作して、設定をおこないましょう。
- テレビやレコーダーの「設定」画面を開く
- 「放送受信設定」の項目を選ぶ
- 「BS/CSアンテナ設定」の項目を選ぶ
- 「アンテナ電源」の項目を選択し、「供給する」または「連動」を選択する
- インジケーターを接続している場合は、インジケーターのランプが点灯することを確認する
各項目の名称や設定の流れは、メーカーや機種によって異なります。
詳細はテレビやレコーダーの取扱説明書をご確認ください。
BSアンテナの方位角を調整する
最後に、BSアンテナの方位角(横方向の向き)を、電波を受信できる角度に調整します。
方向調整の際には、インジケーターがあるとよりスムーズです。
インジケーターは、アンテナの電波受信状況をランプで教えてくれる機器です。
BSアンテナ側のケーブルに取り付けておけば、電波を受信できているかを手元ですぐに確認できます。
テレビ画面に「BS/CSアンテナ設定」の画面を表示させましょう。
テレビやレコーダーのリモコンを操作し、「設定」→「放送受信設定」→「BS/CSアンテナ設定」を選択します。
テレビ画面に表示された現在の電波の受信レベルと、視聴に必要な受信レベルの推奨値を確認しておきましょう。
BSアンテナの反射板を西側の端に向け、そこから約1cmずつ南側へ動かしていきます。
続けて動かすのではなく、1cm動かすごとに止めて5秒ほど待ち、電波状況を確認するのがポイントです。
インジケーターを使う場合は、インジケーターのランプが消えたら電波を受信できている状態です。
テレビ画面を直接確認する場合は、現在の受信レベルが上がり始めたら電波を受信てきている状態です。
電波を受信できたら、テレビ画面の現在の受信レベルが推奨レベルに達する位置を探します。
STEP3と同様に、反射板を1cmずつ動かして受信レベルを確認しましょう。
受信レベルが最大になる位置を見つけたら、その位置に反射板の角度を固定します。
反射板背面にある金具の、仮締めしてあったボルトをしっかりと締めましょう。
インジケーターを接続していた場合は外し、同軸ケーブル同士を接続します。
接続部分には防水テープを巻き付けておきましょう。
最後にBSのチャンネルを付けてみて、問題なく映れば作業は完了です。
BSアンテナの方向調整の方法は、以下の記事でも詳しく解説しています。
手順どおりにBSアンテナを設置しても映らないときは、以下の記事も確認してみてください。
どうしてもBSが映らない原因がわからないときは、プロに相談することをおすすめします。
当サイトアンテナ110番では、無料の現地調査※をおこなっているアンテナ工事業者をご紹介しています。
ぜひお気軽にご相談ください。
※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様の了承をいただいたうえで、調査費用等をいただく場合がございます。
おすすめのBSアンテナ5選!
おすすめのBSアンテナの商品をご紹介します。
※参考価格は2024年1月31日時点のAmazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングでの価格(税込み・東京都への送料込み)です。
これらの商品は、下記の選び方の条件を満たしている商品です。
- セット商品を選ぶ
- サイズが45cmか50cmの商品を選ぶ
セット商品は、道具を買いそろえる手間が省けるうえに、単品で購入するより価格が割安になる傾向があります。
BSアンテナのサイズは、一般家庭なら小型の45cmで十分でしょう。
大きいほど電波を受信しやすくなりますが、風にあおられやすくなり、場所も取ってしまいます。
雨が多い地域など電波が弱まりやすい環境なら、50cmの商品を選びましょう。
DXアンテナ【BC453SCK】
品名 | 45形BS・110度CSアンテナセット(インジケーター付) |
参考価格 | Amazon:18,026円 楽天市場:10,800円 Y!ショッピング:10,800円 |
サイズ | 45cm |
付属品 | 取付金具 ×1 同軸ケーブル 15m×1 インジケーター ×1 ステップル ×5 防水キャップ ×1 固定バンド ×2 スパナ ×1 |
手元で電波の受信状況を確認できるインジケーターが付属したセット商品です。
1人でもスムーズにBSアンテナの角度調整ができます。
本記事で使用しているのもこちらの商品です。
参考:DXアンテナ|45形BS・110度CSアンテナセット(インジケーター付)|製品情報(最終閲覧日:2024年1月31日)
DXアンテナ【BC453SK】
品名 | 45形BS・110度CSアンテナセット |
参考価格 | Amazon:16,517円 楽天市場:9,860円 Y!ショッピング:10,390円 |
サイズ | 45cm |
付属品 | 取付金具 ×1 同軸ケーブル 15m×1 ステップル ×5 防水キャップ ×1 固定バンド ×2 スパナ ×1 |
同じDXアンテナの【BC453SCK】から、インジケーターを除いたセット商品です。
その分価格もリーズナブルになっています。
「2人以上で作業できるのでインジケーターが不要だ」という場合におすすめです。
参考:DXアンテナ|45形BS・110度CSアンテナセット|製品情報(最終閲覧日:2024年1月31日)
日本アンテナ【45SRLST】
品名 | 45cm型BS・110°CSアンテナセット |
参考価格 | 楽天市場:12,800円 Y!ショッピング:10,600円 |
サイズ | 45cm |
セット内容 | 取付金具 ×1 同軸ケーブル(4C/両端F型接栓/片側防水キャップ付き) 15m×1 結束バンド ×1 スパナ ×1 |
反射板とコンバーターアームがはめ込み式になっていて、本体の組み立てが簡単な商品です。
取付金具の鋼板には亜鉛メッキ+粉体塗装の加工がされていて、耐久性に優れています。
参考: 日本アンテナ|日アンねっと|45cm型BS・CSアンテナセット 45SRLST(最終閲覧日:2024年1月31日)
マスプロ電工【BC45RL-SET】
品名 | BS・110°CSアンテナ BC45RL-SET |
参考価格 | Amazon:8,464円 楽天市場:9,363円 Y!ショッピング:10,310円 |
サイズ | 45cm |
セット内容 | 取付金具 ×1 同軸ケーブル(S-4C-FB/両端F型接栓/片側防水キャップ付き) 15m×1 結束バンド ×2 ステップル ×5 スパナ ×1 |
取付金具にはサビに強い溶融亜鉛メッキを採用しています。
参考:マスプロ電工|BC45RL-SET | BS・110°CSアンテナ(最終閲覧日:2024年1月31日)
サン電子【CBD-K045-S】
品名 | 新4K8K衛星放送対応 BS・110度CSアンテナセット 45cm型 |
参考価格 | Amazon:10,560円 楽天市場:9,999円 Yahoo!ショッピング:9,999円 |
サイズ | 45cm |
セット内容 | 取付金具 ×1 同軸ケーブル(片側防水キャップ付) 15m×1 結束バンド ×2 ステップル ×5 スパナ ×1 ビニールテープ 10m×1 |
反射板に高品質のカラーコーティングアルミを使用しており、軽量で耐候性が高いのが特徴です。
取付金具にはサビに強い溶融亜鉛メッキを採用しています。
参考:サン電子株式会社|CBD-K045-S(最終閲覧日:2024年1月31日)
BSアンテナに関するよくある質問
最後に、BSアンテナのよくある質問にお答えします。
- 複数台のテレビでBSを見たいときはどうやって配線する?
-
一般的に、プロは下図のように配線します。
複数台の配線は複雑になるため、プロに任せることをおすすめします。
プロならケーブルを壁内に通すなどして、見た目もきれいに配線してくれますよ。 - BSアンテナは室内に設置できる?
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BSの電波を受信できる環境なら、室内設置も可能です。
ただし、窓ガラスを通すことで、屋外に比べて電波の受信レベルが下がるおそれがあります。
また、電波を遮られてしまうため、屋根裏へのBSアンテナ設置は難しいです。
- BSアンテナでCS放送も見られる?
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現在製造販売されている家庭用のBSアンテナは、110度CS放送も受信できます。
BS放送と110度CS放送(スカパー!)の人工衛星は同じ方角にあるため、同じBSアンテナで受信可能です。
ただし、124/128度CS(スカパー!プレミアム)の受信には、専用のアンテナが必要です。
また、CS放送は有料で、契約をしないと視聴できません。
- マンションでもBSアンテナは設置できる?
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管理者の許可を得られれば設置できます。
マンションでベランダにアンテナを設置する場合には、管理者に設置許可を取る必要があります。
マンションのベランダは、廊下や階段と同じ共有部分だからです。また、マンションによっては共同のアンテナがあり、自分の部屋にBSアンテナを付けなくてもBS放送を見られる場合もあります。
賃貸住宅ならオーナーや管理会社、分譲住宅なら管理組合に、事前に確認しましょう。
まとめ
BSアンテナの設置は、ベランダの手すりになら自分でもできます。
- 手すりの形が一般的な格子状
- 手すりにぐらつきやサビなどの劣化がない
- 1年を通して午後1時~3時頃に日陰にならない
ご自宅のベランダが上記の条件を満たしているなら、この記事の手順を参考にしてBSアンテナを設置してみましょう。
- BSアンテナ本体を組み立てる
- 設置場所にBSアンテナを取り付ける
- ケーブルをテレビまで配線する
- テレビ/レコーダーから電源を供給する
- BSアンテナの角度を調整する
条件に当てはまらない場合や、手順を見て難しそうだと感じたときは、無理せずプロに任せるのがおすすめです。
お近くのプロをお探しなら、ぜひアンテナ110番にご相談ください。
ご相談のお電話は、24時間365日受け付けています。
※対応エリア・加盟店・現場状況により、本日中の施工が難しい場合があります。
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