「ネズミがいた!駆除したい」
「でも、どんなネズミ?種類が気になる……」
家にネズミが出没すると驚いてしまいますね。
不快に感じ、駆除したいと思いつつも、突然家に出たネズミがどのような種類が気になる方もいらっしゃるかもしれません。
ネズミは動物分類で分けると、哺乳類ネズミ目に該当します。
同じネズミ目のなかには、動物園でみられるプレーリードッグやカピバラ、ペットとして人気の高いハムスターやモルモットなども含まれます。
一般的にネズミといわれるもののなかでも、家に出るネズミは家ネズミと呼ばれ、3種類からなります。
この3種類はそれぞれ特徴が異なるので、違いを知れば種類を特定することも可能です。
この記事では、家にあらわれたネズミがどのような種類か見分けるため、次の内容を解説しています。
- 家にでる家ネズミと野生に暮らす野ネズミの種類と特徴
- ネズミが出ない家にするための駆除と予防対策
- ネズミを放置すると起こりえる人への被害と危険性
この記事を読めば、家にいるネズミの種類がわかるだけでなく、被害を阻止するための対策まで理解できます。
ネズミが発生していることによる不安から解消されるためにも、ぜひご一読ください。
ネズミは人に被害を与える寄生虫や病原菌を持っているおそれがあります。
近くにネズミがいても直接触れることはやめてください。
家屋に住み着くのは3種類の家ネズミ
家屋に生息するネズミは家ネズミと呼ばれています。
家ネズミはクマネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミの3種類となり、それぞれ特徴が異なります。
見分けるポイントは、見た目や発生場所です。

≪見た目≫
■ クマネズミ
■ ドブネズミ
■ ハツカネズミ
- 約15cm
- 尾が長い
- 耳が大きい
- 尾は黒色
- 約25cm
- 尾が短い
- 耳が小さい
- 尾は肌色
- 10cm以下
- 尾が短い
- 耳が大きい
- 尾は肌色
≪発生場所≫
■ クマネズミ
■ ドブネズミ
■ ハツカネズミ
- 天井裏
- 建物の高層部
- 床下
- 水回り
- 自然に近い家
- 物置や倉庫
見た目の違いや発生場所を確認できれば、発生したネズミの種類を特定することができます。
次の章では、ネズミの種類ごとの特徴について詳しくご紹介していきます。
参考:農林水産省 農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター|家ネズミ類の生態・被害と防除(最終閲覧日:2023年8月7日)
家屋に住み着く家ネズミの他にも、野生で暮らすネズミもいます。これらは野ネズミと呼ばれています。
ご紹介する3種類の家ネズミの特徴に該当しない場合は、野ネズミかもしれません。
野ネズミの特徴についてもご紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
⇒野生に生きる6種の野ネズミ
高い所が得意!天井裏に巣を作るクマネズミ

体長 | 約15cm |
体重 | 約150g |
色 | 背側:茶色から黄褐色 腹側:明るい黄褐色 尾 :黒い |
体の特徴 | 尾が体長と同じくらい長い 耳が大きく、前に倒すと目に届く 前足の甲に黒い毛が生えている |
発生場所 | 天井裏や屋根裏 建物の高層部 など |
クマネズミは15cmほどの大きさのネズミです。大きいものだと20cm前後の個体も存在します。
背部の毛は茶色から黄褐色です。尾は黒色で体よりも長く、耳が大きいことが見た目の特徴です。
このクマネズミは、家ネズミのなかで家屋への被害がもっとも多い種類です。
現在自治体が住民から受ける相談で、ねずみの種類が分か る相談のうち、9割以上がクマネズミによる被害です。
出典:東京都福祉保健局|都民のためのねずみ防除読本(最終閲覧日:2023年9月18日)
寒さに弱く、暖かい環境のほうが分娩回数が増えます。そのため、年中暖のとれる人家やビルの中など、都心部に生息してることも多いのです。
クマネズミは運動能力に優れており、綱渡りも得意で、垂直に移動も可能です。
そのため、高所への移動も容易で、電線や配管を渡って家の2階や天井、ビルの上層階にも侵入できます。
家屋であれば、壁の中の空洞部分や天井裏などの高所に生息して巣を作ることが多いです。
また、クマネズミは動きながら排泄をします。
天井や屋根裏からドタドタ走り回る音がする、細長い糞が散らばって落ちているときは、クマネズミが発生していると可能性が高いと考えてよいです。
被害数が多いうえに、クマネズミは駆除が難しい種類です。
警戒心が強く、クマネズミのなかにはスーパーラットという、殺虫剤に抵抗性を持つ個体もいるためです。
のちほど、駆除対策について解説しますが、ご自分での対応が難しいと感じた場合は業者へ依頼するほうが賢明です。
スーパーラットについてはこちらの記事でも詳しく解説しているため、興味のある方はぜひご覧ください。
※1 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。※2 交通費、お客様都合でのキャンセル料は別途発生する場合があります。
水をよく飲む!水回りや湿った場所に出没するドブネズミ

体長 | 約25cm |
体重 | 250g以上 |
色 | 背側:茶色から灰色 腹側:明るい灰色 尾 :肌色 |
体の特徴 | 尾が体長より短い 耳が小さく、前に倒しても目に届かない 前足の甲は白い毛が生えている |
発生場所 | 床下 下水溝や排水管 用水路やゴミ捨て場 |
ドブネズミはどう猛な性格をしています。
性質が荒く、人をおそれることもなく向かってきます。追いつめられるとひっかく、咬みつくなどと攻撃をしてくることもあるほどです。
体長も他のネズミに比べ大きく、20cmから大きいものだと25cm以上になるものもいます。
先ほどご紹介したクマネズミも大きいものだと20cmほどの個体がいますが、違いは耳の大きさや尾の長さ、色です。
ドブネズミの体は大きいですが、耳は小さく、前に倒すと目に届きません。尾も胴体よりも短く、肌色です。
クマネズミは細身なのに対し、ドブネズミはずんぐりした体系をしていることも特徴です。
ドブネズミは泳ぎが得意で水を多く摂取します。冷凍倉庫にも棲み着くことができるほど低温にも強いです。
平面移動を基本とし、地面を掘って生活することもあります。垂直移動や綱渡りは苦手で、高所での発生はあまりありません。
そのため、下水や台所などの水回り、床下などの湿った場所に出没することが多いです。側溝やゴミ捨て場など公共の場で目撃されることもあります。
雑食性ですが他の2種と異なり、ミミズや昆虫の幼虫、魚貝類や鳥卵など、タンパク質を特に好んで食べます。
乾きに強い!草むらや物置で生き延びるハツカネズミ

体長 | 10cm以下 |
体重 | 約30g |
色 | 背側:茶色 腹側:真っ白か灰色 尾 :肌色 |
体の特徴 | 尾が体長より短い 耳が大きく、前に倒すと目に届く |
発生場所 | 比較的乾燥した草地 自然環境に隣接した物置や倉庫 |
ペットや実験用として飼育されているハツカネズミは、体が白色をしています。しかし、野生のハツカネズミは茶色です。
他の2種の家ネズミに比べて体が小さく、5〜10cmほどの大きさです。
体が小さい分、狭い隙間を好んで移動し、壁の亀裂や窓の隙間、排気口や配管の穴など、1cmほどの隙間があれば建物に侵入できます。
ハツカネズミは都心部よりも郊外に生息しています。
屋外で生活していることが多いため、家屋でも自然環境に隣接しているところにいます。
具体的には、田畑や草むらが近くにある家屋や物置、倉庫などに発生することが多いです。
雑食性ですが種子や果実、米や麦などの穀類、昆虫類を特に好んで食べます。
乾きに強く、水気のない場所でも生き延びることができます。水を与えず米だけでも1年以上生き延びることもあるほどです。
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共通するネズミの生態
ネズミには共通する生態があります。生態を知ることで、ネズミによる被害の内容や原因の解明につながります。
共通するネズミの生態は次のとおりです。
- 警戒心が強く通り道は一定
-
ドブネズミのようにどう猛で人に向かって来るネズミもいますが、一般的な性格は警戒心が強く臆病です。
嗅覚や聴覚などの五感が人よりも優れており、普段と異なる環境を察知して警戒します。そのため隙間や隅などいつも同じ場所を通ります。
学習能力も高く、巣を中心に群れで行動し縄張り意識が強いです。尿や生殖腺からの分泌物質でマーキングもします。
そのため、ネズミがいる環境には黒い汚れや糞尿が残ります。
- 夜行性で夜にドタバタ動きまわる
-
ネズミは夜行性です。人気のない場所であれば日中でも行動しますが、基本的には夜になると行動をはじめます。
そのため家屋にネズミが浸入していると、夜中に天井裏や床下からドタバタと走り回る音がすることが多いです。
- なんでも食べる大食い
-
ネズミは1日に体重の1/3〜1/4の量の餌を食べるほどの大食いです。
一部の野ネズミには草食のものもおり、種類によって食の好みはありますが、基本的には何でも食べる雑食性です。
そのため、食料を求めて家屋に浸入することも少なくありません。
- 繁殖力が高い
-
ネズミは繁殖力が非常に高いです。
生後3ヵ月ほどで繁殖が可能となり、年間5~10回の出産で1度に5~10匹の子供を産みます。
出産のピークは春と秋で、温度が低くなると分娩回数が減ります。しかし、基本的には1年中繁殖を繰り返します。
そのため、1匹いただけのネズミでも1年後には9,000匹以上にも数を増やすのです。
クマネズミ
- 妊娠期間
-
約21日
- 産子数/回
-
約6匹
- 出産回数/年
-
5~6回
- 寿命
-
3年
ドブネズミ
- 妊娠期間
-
約21日
- 産子数/回
-
約8匹
- 出産回数/年
-
5〜6回
- 寿命
-
3年
ハツカネズミ
- 妊娠期間
-
約20日
- 産子数/回
-
約6匹
- 出産回数/年
-
6~10回
- 寿命
-
1~1.5年
参考:大阪府|ねずみの駆除について(最終閲覧日:2023年8月10日)
ネズミの繁殖や一生についてはこちらの記事でも詳しく紹介しているため、ぜひご覧ください。
- 前歯が一生伸び続ける
-
ネズミの前歯は一生伸び続けます。上下とも1週間に2.1〜2.8mm程度、年間で10cm以上も伸びるのです。
前歯が伸びすぎると、餌が食べられなくなってしまいます。
そのためネズミには、常に硬いものをかじって前歯をすり減らす習性があります。
家屋に住み着いたネズミは、壁や柱、家具や家電のコードなどをかじることが多いです。
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ネズミを放置することによる被害と危険性
家屋に発生したネズミを放置すると、さまざまな被害が引き起こされます。ネズミがいることで、不快感や精神的苦痛を感じる方も多いのではないでしょうか。
家屋でのネズミ被害は10月から3月までが多く、ピークは2月頃です。これは、寒い季節になると寒さから逃れるため、家屋に浸入するネズミが多いことが理由です。
東京都だけでも、ネズミ被害に悩む方の相談件数は毎年6000件ほどあります。
代表的な被害には、皮膚炎や感染症などの健康被害、家電や家屋の破損、劣化につながる経済被害があります。
参考:東京都保健医療局|東京都におけるねずみ・衛生害虫等相談状況調査結果 11 ネズミ類(相談件数)(最終閲覧日:2023年8月23日)
健康被害
ネズミがいることで不快感や精神的苦痛だけでなく、騒音や不安で眠れなくなる睡眠障害、糞尿や死骸による悪臭などに悩まされることも多いです。
また、ネズミは寄生虫や病原菌も保有しており、感染することで皮膚炎や感染症を引き起こすおそれがあります。
寄生虫や病原菌には、触る、咬まれるなどネズミとの直接的な接触がなくても、水や土壌、空気中の埃を介しても感染してしまいます。
≪人へ被害を及ぼす感染症や寄生虫≫
- レプトスピラ症(レプトスピラ菌)
-
- 感染経路
-
レプトスピラ菌を保有したネズミなどの哺乳動物の尿に汚染された土壌や水に触れることで、皮膚や粘膜から菌が侵入して感染
- 潜伏期間
-
5~14日
- 症状
-
発熱、悪寒、頭痛、腹痛、筋肉痛、眼球結膜の充血など発症後4~6日頃に黄疸や出血傾向が強まることもある
- サルモネラ感染症(サルモネラ菌)
-
- 感染経路
-
サルモネラ菌を保有している卵や魚肉を食べることにより感染
サルモネラ菌を保有しているネズミやペットとの接触、糞尿に汚染された食品を食べることでも感染する - 潜伏期間
-
6~72時間
- 症状
-
吐き気、嘔吐、発熱、腹痛、下痢など
子どもや高齢者では重篤となることがある
- 腎症候性出血熱(ハンタウイルス)
-
- 感染経路
-
ハンタウイルスを保有するネズミの糞尿によって埃などの空気中の粒子が汚染され、それを吸入することによって感染
ハンタウイルスを保有するネズミに咬まれることでも感染する - 潜伏期間
-
1~5週間(おもに2~3週間)
- 症状
-
軽症:微熱、血尿、蛋白尿、上気道炎症状など
重症:発熱、低血圧、ショック症状、腎不全など
致命率は3〜15%
- 鼠咬症|レンサ桿菌型
-
- 感染経路
-
ストレプトバチルス・モニリフォルミスという細菌に感染したネズミに咬まれることにより感染
- 潜伏期間
-
3~10日
- 症状
-
関節痛、発疹、発熱、悪寒、嘔吐、頭痛など
咬まれた傷が治ったあと、1日~約3週間以内に症状があらわれる
治療しない場合、関節痛や感染性関節炎などの症状が数日~数ヵ月続く
- 鼠咬症|らせん菌型
-
- 感染経路
-
スピリルム・マイナスという細菌に感染したネズミに咬まれることにより感染
- 潜伏期間
-
平均2週間
- 症状
-
リンパ節の腫れ、発熱、発疹、咬まれた箇所の炎症など数日~約4週間後に症状があらわれる
治療しない場合、最長8週間の発熱を繰り返すことがある
- ペスト(ペスト菌)
-
- 感染経路
-
ペスト菌を保有するネズミに寄生しているノミに咬まれることにより感染
- 潜伏期間
-
1~7日
- 症状
-
発熱、出血をともなう発疹、リンパ腫の腫脹、頭痛、倦怠感など
皮膚が黒く変色して死亡することから黒死病とも呼ばれる
症状や感染経路により腺ペスト、肺ペスト、敗血症型ペストに分かれる
感染者の80~90%は腺ペストで死亡率は30〜60%
- ツツガムシ病(ツツガムシ)
-
- 感染経路
-
ネズミなどに寄生するダニの一種ツツガムシに刺されることによって感染
- 潜伏期間
-
5〜14日
- 症状
-
高熱、全身の倦怠感、頭痛、食欲不振、悪寒、発疹、リンパ節の腫れなど
ツツガムシに刺された箇所には黒いかさぶたができる
治療が遅れると血栓ができて血管を詰まらせる播種性血管内凝固をおこすことがある
- 皮膚炎(イエダニ)
-
- 感染経路
-
ネズミに寄生するイエダニに刺されることによって感染
- 症状
-
腹部の周囲、陰部、太ももの内側など皮膚のやわらかい箇所を刺す
かゆみをともなう強い赤い発疹が起こる
黄色ブドウ球菌などの二次被害を引き起こすことがある
参考:大阪府|ねずみの駆除について(最終閲覧日:2023年8月10日)
参考:NIID 国立感染症研究所|ペストとは(最終閲覧日:2023年8月14日)
参考:NIID 国立感染症研究所|レプトスピラ症とは(最終閲覧日:2023年8月14日)
参考:厚生労働省検疫所|サルモネラ症(チフス以外)(ファクトシート)(最終閲覧日:2023年8月14日)
参考:NIID 国立感染症研究所|腎症候性出血熱とは(最終閲覧日:2023年8月14日)
参考:MSD マニュアル|鼠咬症(最終閲覧日:2023年8月14日)
参考:NIID 国立感染症研究所|ツツガムシ病とは(最終閲覧日:2023年8月14日)
参考:公益社団法人 東京都ペストコントロール協会|虫と皮膚炎(最終閲覧日:2023年8月14日)
経済被害
ネズミが侵入することで停電や火災が起こることもあります。
東京都にて平成7年から14年にネズミが原因で発生した停電などの電気事故件数は214件ありました。平成8年から15年に発生した火災は97件にもおよびます。
(1) 電気関係
社団法人関東電気保安協会によると、同協会が管轄する地域内では年間約 70 件前後の小
動物による電気設備のトラブルが発生しており、その 6 割近くがねずみによるものである。(2) 火災関係
出典:東京都保健医療局|東京都ねずみ防除指針(最終閲覧日:2023年9月5日)
東京消防庁のまとめによると、同庁管内では毎年約6,000 から 7,000 件の火災が発生して
おり、そのうちねずみが原因であることが確認された火災は毎年 12 件ほど発生している。
出典:ねずみ駆除協議会|カラースライド第2編:行動と被害(最終閲覧日:2023年9月5日)
電気事故の原因として多い例は、受変電設備にネズミが接触して感電し、停電することです。
火災原因としては、電気コードをかじることによってショートした、ガスホースをかじってガス漏れが起こり引火したなどがあげられます。
火災にまでならないとしても、かじられることによって電気機器の破損につながります。買い替えや修理の費用がかかることは、経済的な負担です。
経済被害はそれだけではありません。家の柱や壁をかじる、糞尿によってシミができることもあります。
参考:東京都保健医療局|都民のためのねずみ防除読本(最終閲覧日:2023年9月5日)
参考:東京都保健医療局|東京都ねずみ防除指針(最終閲覧日:2023年8月15日)
参考:中野区|ネズミの被害にご注意を(最終閲覧日:2023年8月15日)
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ネズミが出る家の特徴は隙間と餌があること!自分でできる駆除対策
ネズミが発生しやすい家には特徴があります。
それは、餌場がある、侵入できる隙間がある、そして汚れていることです。この特徴にあてはまる環境には、ネズミは安心して住み着きます。
そのためネズミ被害を防ぐには、今いるネズミを追い出し、環境改善をして再発を防ぐことが大切です。
対策は自分でおこなうことも可能です。注意点とあわせて順番にご紹介します。
効率的にネズミを駆除するには、まず、ラットサインを見つけることが大切です。
ラットサインとは、ネズミが残した痕跡のことです。
ネズミは同じ場所を通る習性があります。そのためラットサインが残っていれば、その場所にはネズミがあらわれるということです。
- 黒いこすったような汚れ
- かじった跡
- 糞
- 侵入口 など
ラットサインを見つけることで、ネズミの侵入口や通り道が特定できるため、効果的に対策ができます。
糞がある場合、姿を見ていなくてもネズミの特定ができます。ネズミごとの糞の特徴についてはこちらの記事で詳しく解説しております。
すでに発生しているネズミは、駆除グッズを使って駆除しましょう。ネズミの駆除グッズは、市販でも販売されています。
市販されている駆除グッズのなかでももっとも主流となっているものが、粘着トラップです。
粘着トラップとは、粘着剤が着いたシートを床に置いてネズミを捕まえるものです。
粘着トラップであれば、ネズミだけでなく寄生しているイエダニもあわせて駆除ができます。
ハツカネズミや子どものクマネズミであれば少数でも捕獲は可能です。しかし成獣のクマネズミやドブネズミの場合、数枚では捕獲できないことがあります。
そのため粘着トラップは複数枚、最低でも10枚以上は設置するとよいです。
ラットサインが残っている場合はその場所に、粘着トラップを規則正しく並べることで効率的な駆除が可能です。

ラットサインがわからないときは、天井裏や床下、キッチンなどの水回りへの設置がおすすめです。複数枚をランダムに設置すれば、十分対応できます。

ドブネズミは水場で生息して体が濡れていることが多く、粘着トラップにかかりにくいことがあります。その場合、粘着力が弱いものでは捕獲ができません。
そのため、粘着トラップは高額でも粘着力の強いもののほうがよいです。
また、粘着トラップの上には餌を置かないようにしましょう。
餌を食べるために粘着トラップの手前で止まってしまっては意味がないためです。粘着部分の上で転ばせるほうが効率的に捕まえることができます。
粘着トラップの効果的な使い方やおすすめ商品については、こちらの記事でも詳しく紹介しておりますので、ぜひ参考にしてください。
ネズミを駆除したあとは、再び侵入されないよう、侵入口となる隙間をふさいで建物への侵入を阻止しましょう。
ネズミは10円玉ほどの大きさでも簡単に侵入できます。そのため10円ほどの隙間があればふさぐとよいです。
侵入口となりやすいのは、次のようなところです。
- 亀甲金網や金属たわしを隙間に入れる
- 金属板でふさぐ
- パテで埋める
パテは辛味のあるカプサイシンなどが配合された防鼠(ぼうそ)塗料を選ぶとよいです。
明確な侵入口かわからない場所は、いったんガムテープでふさぎ、しばらく様子を見ます。
しばらくして、ガムテープがはがれていたり穴が開いていたりする場合は、侵入口として利用されている場所です。金網や金属版でふさいでください。
予防として大切なことは、ネズミにとって居心地の悪い環境にすることです。
ネズミは餌場があり、汚れていて身を隠すことができる場所を好みます。ティッシュペーパーや新聞紙、ビニール袋などの巣材があれば、どこにでも巣を作ります。
そのため、居心地がよいと思う条件を取り除くことが、ネズミの再発を防ぐために大切です。
- 餌となるものをなくして餌場にさせない
- 整理整頓をして清潔な環境を保つ
- 巣を作れそうな場所や巣材を与えない
具体的な対策として、次のことに気を付けましょう。
- 餌となる食品は密閉容器に入れて保管する
- 生ごみは放置せず蓋つきのゴミ箱に捨てる
- ペットの餌や仏壇の供え物は夜になったら片付ける
- 食べ残しが落ちていないよう床はこまめに掃除をする
- ティッシュや新聞紙などを出しっぱなしにしない
- 蓋のないゴミ箱の中のゴミはこまめに片付ける
- 不要なビニール袋やビニール紐は処分する
- 本や段ボールをそのまま放置しない
すでに巣が作られている場合、イエダニがいるおそれがあります。
イエダニに刺されると、かゆみや発疹などの皮膚炎を起こしてしまいます。
ネズミが発生した場所を掃除するときは、軍手やビニール手袋を着用して肌の露出を避けてください。
ビニール袋などに入れ、しっかりと密閉したうえで処分しましょう。
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野生に生きる6種類の野ネズミ
発生しているネズミの特徴が家ネズミに当てはまらない場合、野ネズミかもしれません。
野ネズミは野山や草木が生い茂った場所に生息しています。
夜行性で、一部の種類を除き雑食という部分では、家ネズミと一緒です。
家ネズミに比べて寿命は短く、野ネズミの場合は平均約3~4ヵ月です。これは、イタチやテン、フクロウなど野生動物が天敵となり、捕食されてしまうことが多いためです。
野ネズミの代表的な種類をご紹介します。
- 行動範囲が広いアカネズミ
-
日本全域に生息している日本固有種です。山野に広く分布します。
背部が明るい茶色、腹部は白色をしています。
後脚の筋肉が発達していることが特徴で、行動範囲は1日に数kmにもおよびます。 - 樹上で生活するヒメネズミ
-
アカネズミを小さくしたようなネズミです。
日本全域に生息しており、基本的には樹上で生活しています。
尾が体長より長いことが見た目の特徴です。 - 国内でもっとも小さいカヤネズミ
-
日本国内では最小、世界でみても最小級のネズミです。
比較的都心に近い場所でも多く発見されています。
草原に小鳥の巣のような丸い巣を作ることも特徴です。 - 果樹園によく生息するハタネズミ
-
果樹園に生息することが多く、ハタネズミによる樹木への被害は大きいです。
河川敷や畑地、低地の草原にも生息しています。
地中に網目状の巣穴を掘って生活しています。 - 腹部が薄黄色っぽいスミスネズミ
-
東北地方南部までの本州、四国、九州に分布している日本固有種のネズミです。
神戸の六甲山で発見され新種となりました。
腹部が薄黄色っぽい色をしています。 - 北海道に生息しているエゾヤチネズミ
-
北海道やその周辺諸島に分布しています。
草食に生息しており、秋から春にかけては樹皮や種子を、夏には他の植物を餌とします。
野ネズミについてはこちらの記事でも詳しく解説しております。
まとめ
家に出没するクマネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミは家ネズミと呼ばれ、種類ごとに見た目や生活場所などの特徴が異なります。
そのため、特徴を理解すれば種類の特定が可能です。
しかし、ラットサインを残すことや固いものをかじる習性があるなど、共通の生態もあります。
そのため寄生虫や病原菌による健康被害、かじられることによる経済被害はどのネズミでもおこります。
ネズミによる被害を防ぐには、駆除とあわせて日頃から対策をおこなうことが大切です。
自分でできる駆除と予防方法をご紹介しているため、ぜひ参考に対策をしてみてください。
ただし、もし自分でおこなうことに少しでも不安がある場合は、業者へ依頼したほうが賢明です。
失敗してしまうと繁殖力の強いネズミはどんどん増殖し、手に負えなくなってしまうおそれもあるためです。
ねずみ110番では、ネズミ被害に悩まれている方に安心してお任せいただけるよう、24時間365日対応している無料の相談窓口がございます。
ご状況を伺ったうえで最適な加盟店をご紹介しておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。