「天井裏など見えないところにネズミ被害がないか不安……」
「ネズミがいると知らずに普通に生活してた……病気にならないか心配」
ネズミを見かけると、建物や健康の被害が気になりますよね。
素早く動き回ってあらゆる場所にあらわれるネズミは、健康面や経済面などさまざまな方面に被害をおよぼす害獣です。
放置すればあっという間に繁殖して、より大きな被害が発生することも考えられます。
そのためネズミ被害の危険性をよく理解して、迅速な駆除と予防をおこなう必要があります。
そこでこの記事では、ネズミが起こすさまざまな被害を解説します。
もし記事を読んで「うちと似ている?」と少しでも思ったら、早急にネズミ対策を始めましょう。
またこの記事では以下のことを解説しています。
この記事を読めば、ネズミが起こす害がまとめてわかります。
正しい知識を身につければ、適切な対応が取れるようになるためぜひ参考にしてください。
ネズミ被害1:健康被害
まずは、ネズミが原因で起こる健康被害について解説します。
- ダニやノミに噛まれる
- ネズミのフンが原因で病気になる
- ネズミに噛まれケガをする・病気になる
ネズミが原因で起きる健康被害には病気やケガが多いです。
重症化し入院した例もあるため、ネズミ被害が疑われる場合はすぐに医療機関に相談してください。
では被害を詳しく解説します。
ダニやノミに噛まれる
ネズミの体にはダニやノミが寄生していることがあり、それが人間を襲うことがあります。
ダニとノミの被害は少し異なるため、それぞれ見てみましょう。
ダニ
出典:豊島区|室内で問題となるダニ(最終閲覧日:2024年2月23日)
ネズミの体にはイエダニというダニが寄生しており、ネズミが死ぬとイエダニは人間に寄生します。
噛まれるタイミングは就寝中が多く、噛まれた部分を中心に2~3cm程度が赤く変色します。
イエダニはやわらかい皮膚から吸血するため、下腹部やふとももなどを刺されることが多いです。
被害を抑えるためには、ダニ駆除と同時にネズミ駆除も並行しておこなう必要があります。
ノミ
※写真はネコノミのものです。
ノミに噛まれると赤い発疹(ほっしん)が出て、数日間強いかゆみが残ります。
ノミ被害は露出している肌に見られますが、特にヒザから下の被害が目立つのが特徴です。
またダニやノミの死骸を吸い込むと、くしゃみや鼻水のアレルギー症状が出る場合もあります。
アレルギーとネズミは一見無関係に見えますが、頻繁にアレルギー症状が出る方はネズミの存在も疑いましょう。
湿気の多い梅雨の時期はダニやノミが活発に行動するため、ネズミ駆除と同時に衛生環境を見直し、徹底的な環境改善をしなければいけません。
ネズミのフンが原因で病気になる
ネズミのフンは臭い以外の被害も出します。
ネズミのフンには病原菌・ウイルスが含まれている可能性があり、誤って摂取すると病気になるおそれがあります。
ネズミのフンに含まれていることがある病原菌・ウイルスは以下のとおりです。
- サルモネラ菌
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食中毒の原因になる菌。
症状は下痢、腹痛、発熱などが見られる。
まれにサルモネラが血液中に入り、他の臓器に病気を起こし、重症化することもある。参考:厚生労働省検疫所「FORTH」|サルモネラ感染症(最終閲覧日:2024年2月23日)
- ハンタウイルス
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症状は発熱、頭痛、悪寒、脱力、めまい、背部痛、腹痛、嘔吐。
顔面の発赤、目の充血、発疹などの出血症状が見られることもある。参考:厚生労働省検疫所「FORTH」|ハンタウイルス感染症(腎症候性出血熱、ハンタウイルス肺症候群)(最終閲覧日:2024年2月23日)
- レプトスピラ菌
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症状は頭痛、発熱、悪感、筋肉痛、吐き気、下痢や腹痛など。
皮膚に発疹があらわれることもある。参考:厚生労働省検疫所「FORTH」|レプトスピラ症(ワイル病)(最終閲覧日:2024年2月23日)
サルモネラ菌はフンに限らず、ネズミの体にも付着していることがあります。
ネズミの体に付着している病原菌はいくつもあるため、素手で触れるのは避けましょう。
ネズミのフンの特徴や危険性は関連記事でも解説しています。
より深く知りたい方はこちらもご確認ください。
ネズミに噛まれケガをする・病気になる
ネズミに噛まれるとケガをするだけでなく、病気になるおそれがあります。
じつは、動けない赤ちゃんや高齢者をネズミが襲う事件がたびたび発生しています。
例えば2017年のアメリカでは、新生児がネズミに約100ヵ所噛まれて病院に運ばれる事件がありました。
参考:エキサイトニュース|生後15日の新生児がネズミに噛まれた痕多数、10代両親を逮捕(米)(最終閲覧日:2024年2月23日)
また野生のネズミは菌を保有していることもあり、噛みつかれると以下の病気になる可能性があります。
- アナフィラキシーショック
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ひどいアレルギー反応のこと、原因物質(アレルゲン)を摂取し発症する。
ネズミに噛まれるとネズミの唾液が体内に入るため、アナフィラキシーショックが起きる場合がある。
アナフィラキシーショックになると、呼吸困難、蕁麻疹(じんましん)、目のかゆみなどの症状が出る。参考:アナフィラキシーってなあに.jp|アナフィラキシーの症状(最終閲覧日:2024年2月23日)
- 鼠咬症(そこうしょう)
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ネズミに噛まれたことが原因で菌に感染し、起きる病気。
ネズミに噛まれたあと1週間以内に発熱、関節痛や頭痛などの症状が出る。
悪化すると入院する場合もある。参考:国立感染症研究所|石垣島での鼠咬症症例について(最終閲覧日:2024年2月23日)
ネズミは警戒心が強いため、めったに人を襲う動物ではありません。
しかし赤ちゃんや高齢者が噛まれる事件も起きているため、油断は禁物です。
ネズミ被害2:建物に関する被害
ネズミ被害で多いのは建物への被害です。
- 建物が傷つく
- 家の中が臭くなる
- 漏電事故・火災が発生する
建物への被害はひどくなると、ネズミ駆除とあわせて建物の補修も必要になります。
異変に気がついたら早めにネズミ駆除・建物の補修をおこないましょう。
建物が傷つく
ネズミに住み着かれると建物に被害がおよびます。
よくある被害は以下のものです。
- フン尿により天井や壁にシミがつく
- 木製の柱や家具がかじられる
- 壁に穴を開けられる
ネズミは一生歯が伸びるため、歯を削るために食べ物以外もかじります。
そのため壁、柱や木製家具などがかじられることがあります。
ネズミは建物を傷つけるため、放置すれば建物の資産価値を著しく下げてしまうことにもなりかねません。
家の中が臭くなる
ネズミが住み着くと、アンモニアやカビなどの悪臭がすることがあります。
理由はネズミのフンと死骸のせいです。
ネズミが家に住み着くと以下の臭いに悩むことがあります。
- フン尿のアンモニア臭
- ネズミの死骸の腐敗臭
- フン尿や死骸に生えたカビの臭い
ちなみにネズミのフンは以下のような見た目です。
大きさは4~20mmほど、シンクの下や棚の裏などネズミが隠れている場所に多いです。
もし上記のような黒い粒があったら、ネズミのフンかもしれません。
漏電事故・火災が発生する
ネズミが配線をかじり、漏電することがあります。
さらに漏電した配線が原因で火災に発展するおそれがあります。
2023年5月には宮城県で住宅から出火、周囲の住宅十数軒が焼ける火災がありました。
出火原因は「火元の住宅の電気配線を、ネズミがかじり漏電したためではないか?」といわれています。
参考:khb東日本放送|ネズミが配線をかじって漏電し火事に ネズミ被害の対策を聞く(最終閲覧日:2024年2月23日)
最後の章で触れますが、ネズミが原因で発生した火事は免責事項とされている保険が多く、保険金が下りない場合があるため注意が必要です。
ネズミに配線をかじられないよう、駆除や予防をおこないましょう。
ネズミ被害3:食料や風評被害
建物や健康以外のネズミが起こす被害を2つ解説します。
- 食料がかじられる
- 炎上被害が発生する
上記は一般家庭でも起こりえますが、おもに農業や飲食店に深く関わる事柄です。
「たかがネズミ」とつい軽く考えがちですが、上記の被害は経済活動に深刻なダメージを与えるため警戒が必要です。
ではじっくり見ていきましょう。
食料がかじられる
ネズミに食料品がかじられ、無駄になります。
ネズミは雑食のため、穀物や野菜、果物などあらゆるものがエサになります。
ネズミ被害で深刻なものが、農作物への被害です。
2022年にネズミが全国の農作物に与えた被害額は 5,332万円です。
参考:農林水産省|野生鳥獣による農作物被害状況(令和4年度)(最終閲覧日:2024年2月23日)
またネズミの体にはサルモネラ菌(食中毒菌)など菌が付着していることがあり、ネズミがかじった食品にはそれらの菌が付着している可能性があります。
そのため、ネズミにかじられた食料品は捨てるしかありません。
ネズミは食料品以外もかじります。
例えばフルーツなどの天然素材を使ったせっけんの場合、ネズミが食べ物と勘違いしてかじることがあります。
さらに生ゴミやペットのエサなど、人間の食料品以外もネズミのエサになるため要注意です。
せっけんや生ゴミはフタつきの容器に入れて保管しましょう。
炎上被害が発生する
食料品店や飲食店でネズミが出ると、炎上被害のおそれがあります。
2019年にはコンビニエンスストアのなかをネズミが走り回る動画がSNS上に投稿され、炎上騒ぎが起きました。
投稿は店の対応に不満を持ったお客様がおこなうこともあれば、従業員が内部告発としておこなうこともあり、適切な対応が必要です。
ネズミはお客様や従業員の健康を損なう危険があり、不安を与える存在です。
ネズミ被害に気がついたら、店舗のネズミ対策を早急におこないましょう。
飲食店のネズミ対策については、関連記事で詳しく解説しています。
飲食店のネズミ対策を知りたい方はこちらもご確認ください。
ネズミの被害に関する解説は以上です。
ネズミ被害に気がついたら、早めに対策をおこないましょう。
次の章では具体的なネズミ駆除や予防を解説します。
今日からできる!簡単ネズミ対策
ネズミ対策は駆除グッズを購入したり、ネズミの侵入を防ぐ工事をしたりと大変です。
すぐに本格的な対策をするのはむずかしいため、今回はすぐにできる簡単な対策をご紹介します。
ネズミ駆除はネズミの嫌いな匂いを使う
簡単にできるネズミ駆除には、ネズミの嫌がる匂いで追い出す方法があります。
ハッカ油や木酢液はネズミが嫌う匂いとして有名なため、これを利用します。
具体的には被害の多い場所、天井裏や床下といったネズミのいそうな場所にハッカ油スプレーや木酢液を染み込ませた布を散布します。
ただし匂いによる追い出しは、ネズミ被害が始まったばかりでないと効果がありません。
ネズミが長く住み着いていると匂いだけでは駆除しきれないため、別の駆除方法を試しましょう。
ネズミ予防は整理整頓をする
簡単にできるネズミ予防は、お部屋の片付けです。
食料品や食べ残しが出しっぱなしだと、ネズミのエサになります。
また、ものが散乱した部屋ではネズミが隠れて移動しやすくなるため要注意です。
食料品を冷蔵庫にしまい、部屋の整理整頓をするだけでもネズミ予防になるため、できることから試してみましょう。
関連記事にはネズミ駆除と予防の方法が、より詳しくまとめられています。
まずは自分で駆除をおこないたい方は、こちらを参考にしてください。
しかし「自分でフンを掃除するのはちょっと……」「ダニアレルギーが心配」という方もいますよね。
もしネズミ駆除・予防で不安がある方は、ネズミ駆除業者に相談しましょう。
駆除はもちろん、清掃や予防まですべて任せられます。
ネズミ駆除業者をお探しなら、ぜひねずみ110番にご連絡ください。
ねずみ110番は、ネズミ駆除業者を探すお手伝いをしています。
ご希望の日時、場所をお伝えいただければあなたの要望にあったネズミ駆除業者をご紹介いたします。
ネズミ被害でお困りなら、ぜひねずみ110番にお電話ください。
※1 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。※2 交通費、お客様都合でのキャンセル料は別途発生する場合があります。
ネズミ被害に関する質問
最後に、ネズミ被害で気になる疑問や記事の補足を解説します。
- ネズミがいる家の特徴はありますか?
- ネズミ被害は保険の対象になりますか?
- ネズミのフンはどのように掃除したらよいですか?
ネズミがいる家の特徴はありますか?
ネズミは散らかっている家に出やすいといわれています。
例えば以下のような家は危険です。
- エサになる食品や生ゴミが出しっぱなしになっている
- 巣材になるタオルや新聞紙が出しっぱなしになっている
- 建物に侵入できる隙間や穴が開いている
ネズミが出現しているかどうかわからないときは、ラットサインを探しましょう。
ラットサインとは、かじり跡やフンなどのネズミが残す痕跡のことです。
1章目の建物の被害の多くがラットサインに該当します。
ラットサインについては、関連記事で詳しく解説しています。
道具を使った探し方も紹介しているため、ラットサインを探したい方はこちらもご確認ください。
ネズミ被害は保険の対象になりますか?
ネズミ被害は保険の対象外になる可能性が高いです。
火災保険や事業活動保険などの約款(やっかん)を見ると「ネズミ食いの被害は補償できない」と書かれていることが多いためです。
ただし被害の内容や契約している保険によっては、ネズミによる被害でも補償される可能性があります。
契約中の保険内容は保険会社に聞くのがもっともわかりやすいため、そちらに連絡してみましょう。
ネズミのフンはどのように掃除したらよいですか?
ネズミのフンは、拭き掃除で取り除きます。
掃除方法は以下のとおりです。
- マスク・手袋を装着し、雑巾でネズミの尿を拭く
- エタノールかアルコールで清掃箇所を消毒する
- 消臭スプレーで臭いを取り除く
- 風通しをよくして、清掃箇所を十分に乾燥させる
使用した手袋と雑巾は使い回さず、使用後は処分してください。
ネズミの尿は悪臭や病原菌感染の原因になるおそれがあるため、見つけたら掃除しましょう。
まとめ
ネズミの被害は大きく分けて、建物被害と健康被害に分けられます。
どちらの被害も重篤になると、ネズミ駆除費用にくわえて修繕費用や治療費の余計な経費がかかります。
すぐにできる対策としては、ハッカ油などの散布や清掃がおすすめです。
建物の損失や重篤な健康被害を防ぐために、早急に対策をおこないましょう。