「ベランダに小さな黒い物体が!これはネズミのフン?」
「さわるもの気持ち悪いけど、どうしたらいいの?」
家でネズミのフンらしきものを見つけたら、ショックですよね。
また感染症のリスクもあり、対処がむずかしいです。
まずは見つけたフンが、本当にネズミのフンなのかを確かめてください。
フンの落とし主をはっきりさせてから、被害を防ぐ対策をおこないましょう。
この記事では、ネズミのフンの見分け方から、適切な対処策、ネズミの駆除方法まで、わかりやすく解説していきます。
- ネズミのフンの見分け方
- ネズミのフンの正しい掃除方法
- ネズミの被害を止める方法
この記事を読めば、ネズミのフンかどうかだけでなく、何のネズミのフンかまで自分で見分けられるようになります。
また安全な掃除方法や、ネズミのフン被害をすぐに止めるにはどのようなネズミ対策をしたらよいのかがわかります。
ネズミのフンに悩まされず、安心して生活できるようになる方法を伝授しますので、ぜひ最後までお読みください。
フンには寄生虫や病原菌がついています。
素手では触らないようにしてください。
すでに触ってしまった場合は、すぐに流水で洗い、エタノールなどで消毒してください。
フンの処分方法は、本記事中の「正しい清掃方法」にてご紹介します。
-
麻酔の中でも術後鎮痛を専門として臨床研究をおこなう。医学教育への取り組みも積極的におこない、心肺蘇生 …
※「健康被害」のみ監修
ネズミのフンか見分けるときに見るべき特徴
ネズミのフンは1cmほどの大きさで、茶色や灰色のしっかりした質感です。
ネズミと似たようなフンをする動物には、次のものがいます。
- アブラコウモリ
- ゴキブリ
- トコジラミ
- イタチやテン
上記の動物は、人間の住居に侵入することもあり、家屋周辺でフンを落としていてもおかしくありません。
「ネズミのフンかな?と思ったけど、別の生き物のフンかもしれない」
そんなときは、動物ごとのフンの特徴を比べてみましょう。
また、ネズミの種類によってもフンの特徴が異なります。
ネズミの種類ごとのフンの特徴は、「ネズミも種類によってフンの特徴が異なる」で解説します。
アブラコウモリのフンとの違いは「質感」
- ネズミのふんはしっとりと湿っていて、少し固め
- コウモリのふんはパサパサとして、もろく崩れやすい
■ アブラコウモリのフン
出典:アース製薬:これって何のフン?(最終閲覧日:2023年10月23日)
大きさ | 5~10mm |
形状 | 細長くねじれている |
色 | 黒っぽい色 |
発生しやすい 場所 | 軒下、屋根裏、ベランダなど |
特徴 | パサパサして崩れやすい 一ヵ所にまとまっていることが多い |
「コウモリって、洞窟に住んでいるのでは?」と思われるかもしれませんね。
しかし実際には、コウモリは住宅の屋根裏や壁内に侵入してフン害をもたらす害獣です。
家屋に侵入するコウモリはおもにアブラコウモリ(イエコウモリ)という種類です。
アブラコウモリのフンの長さは5~10mmほどであり、ネズミのフンとよく似ています。
しかしよく観察すれば、違いがあるので見分けられます。
アブラコウモリのフンは、パサパサして崩れやすいのが特徴です。
またアブラコウモリの主食は昆虫なので、崩れたフンの中には昆虫の表皮や足などが混じっていることが多いです。
もちろんネズミも昆虫を食べることはありますが、ネズミのフンは湿っていて崩れにくく、フンに混じる昆虫のパーツはほんのわずかです。
病原菌への感染リスクがあるため、質感を確かめるときは素手で触らず割りばしなどを使用してください。私用した割りばしはポリ袋などに入れて、すぐに処分してください。
参考:京都市役所|衛生動物だよりNo.027(最終閲覧日:2023年10月23日)
ゴキブリのフンとの違いは「大きさ」
- ネズミのフンは5mm~20mmほどの長さ
- ゴキブリのふんは大きくても2.5mmほどの長さ
大きさ | チャバネゴキブリ:1mm(固形) クロゴキブリ:2~2.5m(固形) |
形状 | 粒状または液状 |
色 | 食べたものによる おもに茶色または黒 |
発生しやすい 場所 | 台所の隅や洗面台などの水回り、食器棚の中など 暗くて暖かい、餌や水のある場所を好む |
ゴキブリとネズミのフンの違いは大きさでわかります。
日本の家屋で発生するゴキブリはおもにチャバネゴキブリかクロゴキブリのどちらかです。
ゴキブリのフンは大きくても2.5mmほどであり、落ちているだけではゴミと間違えるほど小さいです。
一方ネズミのフンは10mmほどであり、小さなハツカネズミのフンでも4~7mmはあります。またゴキブリと同じく水回りに発生しやすいのはドブネズミです。
ドブネズミは体も大きく、フンは10~20mmほどと大きいため、ゴキブリのフンとは見分けがつくはずです。
トコジラミのフンとの違いは「色」
- ネズミのふんは茶色や灰色の個体
- トコジラミのふんは赤褐色の液体
▼トコジラミのフン跡や卵

大きさ | 2mmほど |
形状 | 液体 |
色 | 赤褐色 |
発生しやすい 場所 | 畳や布団、家具の隙間など 狭く暗い場所、暖かい環境を好む |
特徴 | 液体状で排出されたあと乾燥してシミが残る |
トコジラミのフンは、赤っぽい色をした液体状のフンです。
トコジラミは人を含む動物の血液を吸うため、フンは血の混じった血糞となります。
また排出された血糞はそのまま乾燥して、シミのような汚れが残ります。
トコジラミのフンは2mmほどの小さいシミですが、トコジラミは群れて生息していることが多く、フンもまとまっているため発見につながりやすいです。
ネズミのフンは茶色や灰色の固体、トコジラミのフンは赤茶色の液体がシミになったもので、見た目でわかりやすい違いがあります。
参考:豊島区役所|トコジラミ ナンキンムシの知識(最終閲覧日:2023年10月23日)
トコジラミは人を吸血し強いかゆみを与えるため、ホテルや旅館では経済的被害も与える厄介な害虫として知られています。
発見したフンがトコジラミかもしれないという方は、こちらの記事でトコジラミの駆除方法を解説していますのでぜひお読みください。
イタチやテンのフンとの違いは「溜めフン」
- ネズミのフンは散らばっている
- イタチやテンのフンはまとまっている
▼テンのフン

大きさ | イタチ:6mmほど テン:10mmほど |
形状 | イタチ:丸みがなく両端が細くねじれている テン:丸みをおびて太め |
色 | こげ茶、黒っぽい色 |
発生しやすい 場所 | イタチ:天井裏、屋根裏など テン:上記に加え、石の上など目立ちやすい場所 |
特徴 | 溜めふんをする習性がある 動物の毛が混じっている 水分を含んでいてしっとりしている |
ネズミのフンと、イタチやテンのフンの見た目はよく似ているので、フンの場所やフンのしかたで見分けるのがポイントです。
天井裏に溜めフンがしてあれば、イタチやテンのフンかもしれません。
一方、フンが散らばっているならネズミのフンだと目星がつきます。
なぜなら、近年都市部で被害が増えているクマネズミは移動しながらフンをする習性があるからです。
ネズミの中でもドブネズミはまとめて排泄をしますが、高所は苦手なので、天井裏へ侵入するのはまれです。
イタチは住宅に被害を与える害獣です。
イタチのフンに関する情報はこちらの記事で詳しく解説していますので参考にしてください。
ねずみ110番では、「ネズミなのか他の生き物なのかわからないけどふん被害を止めたい!駆除したい!」というケースにも対応しています。
ぜひお気軽にご相談ください。
※1 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。※2 交通費、お客様都合でのキャンセル料は別途発生する場合があります。
ネズミも種類によってフンの特徴が異なる
ネズミの種類によってフンの特徴はちがいます。
ネズミの種類がわかれば無駄なくネズミ退治ができるので、しっかり見分けておきましょう。
人の家に侵入して住み着くネズミは家ネズミと呼ばれ、おもに3種類です。
- クマネズミ
- ドブネズミ
- ハツカネズミ
3種類の家ネズミはのフンは、見た目もフンのしかたも違うので見分けがつきやすいです。
ネズミの種類別にフンの特徴を解説しますので、発見したフンと照らし合わせて確認してください。
クマネズミは高所に細長いフンをする
▼クマネズミのフン
出典:アース製薬|これって何のフン?(最終閲覧日:2023年10月23日)
大きさ | 6~10mm |
形状 | 細長い |
色 | 茶色や灰色 |
発生しやすい 場所 | 天井裏や屋根裏、ビルの高層階、ベランダなどの高所 換気扇や配管周りなど |
特徴 | 移動しながらふんをするため、広範囲に散らばって落ちている |
クマネズミは移動しながらフンをするため、広範囲に散らばるのが特徴です。
クマネズミは最近都市部で被害相談の増えているネズミです。
ハツカネズミやドブネズミと比べて寒さが苦手で、一年中暖かい建物内を好みます。
また水が苦手で、屋根裏などの高い場所に生息しやすいです。
クマネズミは垂直移動もできるので、壁や配管を登って高層ビルの上層階にも侵入します。
その他電線を伝って移動したり、1m以上跳躍したりすることもあります。
高所を含む広範囲にフンがバラバラ落ちていたら、クマネズミのものです。
クマネズミの生態が気になる方は、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひお読みください。
ドブネズミは太めのフンを溜めてする
▼ドブネズミのフン
出典:アース製薬|これって何のフン?(最終閲覧日:2023年10月23日)
大きさ | 10~20mm |
形状 | 丸っぽく太い |
色 | こげ茶や灰色 |
発生しやすい 場所 | 台所、下水周辺 ゴミ捨て場、排水管周りなど |
特徴 | 比較的まとまって落ちていることが多い |
ドブネズミは、3種類の家ネズミのなかで体が一番大きいです。
フンも10〜20mmと大きめで、太くて丸っぽい形状をしています。
また、比較的ためて排泄する性質があるため、フンがまとまっておちていることが多いです。
ドブネズミは冷蔵庫の中に住み着くこともできるほど、低温に強いです。
また、水を多くとるため水場に多く、公共の場にも発生します。
あまり高所に登ることができないので、ドブネズミのフンは高いところには少ないです。
参考文献
谷川 力.安心して住める ネズミのいない家.講談社,2006
ドブネズミの生態が気になる方は、こちらの記事で詳しく解説していますのでぜひお読みください。
ハツカネズミは小さいフンをバラバラする
▼ハツカネズミのフン
出典:アース製薬|これって何のフン?(最終閲覧日:2023年10月23日)
大きさ | 4~7mm |
形状 | 細長くて小さい |
色 | 茶色 |
発生しやすい 場所 | 農耕地やその付近の家屋、倉庫、物置など |
特徴 | 米粒のようなふんが散らばって落ちている |
ハツカネズミはクマネズミやドブネズミに比べて体が小さく、成獣でも手のひらに収まるくらいです。
フンも小さく、4〜7mmくらいの米粒のような形状です。
ハツカネズミは都市部よりも郊外や農業地域に多く生息します。
農家の物置や倉庫、鶏舎などに侵入して住み着くことが多いです。
ハツカネズミは水を与えず米だけでも1年以上生き伸びるほど乾燥に強いため、水気のない物置や倉庫でも発生します。
ハツカネズミはクマネズミほど高所が得意ではなく、ドブネズミのようにまとめて排泄するわけでもありません。
米粒ほどの小さなフンが物置や倉庫の周辺にバラバラと散らばっている場合は、ハツカネズミのフンだと目星をつけることができます。
ハツカネズミの生態が気になる方は、こちらの記事で詳しく解説していますのでぜひお読みください。
※1 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。※2 交通費、お客様都合でのキャンセル料は別途発生する場合があります。
ネズミのフン掃除の前に!退治に役立つ3つのチェック
建物の中でネズミのフンを見つけたら、すぐに掃除してしまうのは厳禁です。
掃除や整理整頓をしてしまうと、ネズミの残した痕跡を失ってしまうからです。
ネズミの残した大事な証拠をもとに、現場検証をしましょう。
現場検証でおこなうのは、次の3つのチェックです。
- エサ場を探す
- 周辺に巣はないか確認する
- 侵入経路を見つける
以下で3つのチェック内容を細かく解説します。
【1】エサ場を探す
まずネズミのエサ場を探します。
ネズミがどこかへ侵入するおもな目的は、食べ物です。
次のようなことがないかを確認してください。
- 食品の袋や容器が齧られていないか
- ゴミ箱をあさられていないか
- ペットフードが置きっぱなしにしていないか
エサとなるようなものが見当たらない場合は、そのあたりが巣になっているおそれがあります。
【2】周辺に巣はないかチェックする
続いて、近くに巣はないかをチェックします。
ネズミの巣は、ティッシュやビニールひも、布切れなどゴミを寄せ集めただけのように見えるものです。
次のようなところを細かく見てください。
- 家具の裏
- 家電の周辺
- 押し入れ
- 引き出しの中
都市部で被害の増えているクマネズミは、巣材のないところには住み着きません。
クマネズミは寒がりで、コンクリートや板、地面の上で直接寝ると冷えて死んでしまうからです。
風が当たらず人が通らない落ち着けるところに紙や布、ビニールなどで巣をつくって寝ます。
その他布団や衣類があると、直接その中に潜り込んで寝ることもあります。
また断熱材やソファーに直接穴をあけて、そのまま巣とするケースもあります。
参考文献
金丸 弘美.スーパーラット 都市の野獣クマネズミの恐怖!.徳間書店,2000
【3】侵入経路を見つける
エサ場や巣を確認したら、侵入経路を探しましょう。
室内に入り込まれているなら、どこかに侵入口があるはずです。
ネズミの通り道には「ラットサイン」と呼ばれる黒い筋ができます。
ネズミは何度も同じ道を通る習性があり、油やホコリで汚れているネズミが何度も通る場所には黒い筋のような跡が残るからです。
また通り道には毛やフンが落ちていることもあります。
- 配線・配管の穴
- 換気扇
- 換気口
- 3cmほどの隙間
- 長押
- 配電盤
- 仏壇・神棚
- 排水管
- 玄関かまち
穴や隙間を見つけたら、応急処置としてガムテープを貼る、金たわしを丸めて突っ込むなどの方法で穴をふさいでおきましょう。
後日確認して、応急処置が破られていたら侵入口確定です。
※1 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。※2 交通費、お客様都合でのキャンセル料は別途発生する場合があります。
捨てるだけではダメ!フンの正しい清掃方法
ネズミのフンを掃除するときは、そのまま捨てるだけではいけません。
フンは菌で汚染されているおそれがあるからです。
掃除での注意点や、正しい掃除手順を確認してからネズミのフンを処理してください。
掃除で気をつけること3つ
ネズミのフン掃除で気をつけることは次の3つです。
- ゴム手袋を着用する
- マスクを着用する
- 掃除機は使用しない
ネズミのフンには、寄生虫や感染症の原因となる病原菌が含まれていることがあります。
そのため、掃除はゴム手袋を着用しておこない、素手で触らないようにしてください。
また掃除中には、フンに含まれる病原菌が空気中に舞うおそれがあります。
吸い込まないようにマスクを着用しましょう。
掃除や除菌が終わるまで、マスクや手袋は外さないでください。
その他、フンの掃除に掃除機の使用は厳禁です。
フンを掃除機で吸うと、掃除機内部が汚れます。
また、掃除機の排気口から空気中に病原菌が飛散することがあるからです。
もしすでにネズミのフンを掃除機で吸ってしまった場合は、すぐに掃除機内のゴミを捨ててください。
掃除機は水拭きしてからエタノールなどで除菌しておくと安心です。
ネズミのフンにうっかり触ってしまったら、手洗い用の石鹸と流水でよく洗いましょう。
またアルコールで除菌しておくとよいです。
掃除に必要な道具
ネズミのフンを掃除するときには、次のものを準備しましょう。
- キッチンペーパー
- 雑巾
- ポリ袋
- アルコールスプレー
- 消臭剤
掃除に使うキッチンペーパーや雑巾は菌が付着することがあるため、使い捨てにできるものを準備します。
ネズミのニオイで強烈なのは、フンよりも尿のほうです。
ネズミはマーキングする習性があるため、フンや尿のニオイは消す必要があります。
周辺をしっかり掃除して、ニオイの原因を除去してください。
消臭剤は、トイレ用や生ごみ用の消臭剤を使いましょう。
安全に掃除&除菌する手順
掃除の準備が整ったら、ネズミのフンを除去します。
安全に掃除&除菌する手順は次のとおりです。
フンとその周辺にアルコールスプレーをふきかけます。
なるべく広範囲に散布してください。
キッチンぺーパーでフンをつまみ、ポリ袋に入れます。
キッチンペーパーが薄い場合は何枚か重ねて使いましょう。
フンのあった場所とその周辺を水拭きします。
使った雑巾は、洗わずポリ袋に入れて捨ててください。
最後にアルコールスプレーを全体にふきかけて除菌します。
アルコールは揮発性があるので、仕上げぶきは必要ありません。
消毒後、消臭スプレーを使ってフン尿のニオイを消します。
ネズミのフン被害を止めるための対策
ネズミのフン被害を止めるには、ネズミを駆除しなければいけません。
住みついたネズミを追い出すグッズに効き目は薄く、殺処分するしかないからです。
ネズミ駆除グッズはいくつかあり、現在よく使われているのは粘着シートです。
粘着シートは、強力な粘着剤がついていて、ネズミが通るとくっついて動けなくなるしくみになっています。
上述したように、ネズミは同じところを通る習性があります。
ラットサインをもとに、ネズミの通り場所に粘着シートを置けば高確率でネズミを捕獲できるはずです。
殺鼠剤を使えば、ネズミはどこで死ぬかわかりません。
また、本当に駆除できたのかを確認しづらいです。
しかし粘着シートならネズミの死骸を確実に回収できるため、プロも活用している便利なグッズです。
粘着シートの効果的な使い方は、こちらの記事で詳しく解説していますので、ぜひお読みください。
ネズミの再発を防ぐためにやるべきこと
ネズミ駆除をおこなっても、ネズミにとって住みやすい環境ならば、再びネズミが侵入することがあります。
ネズミにとって住みやすいのは、次の条件がそろっている場所です。
- 餌がある
- 巣を作りやすい
- 身を隠すことができる
- 簡単に侵入できる
ネズミの侵入を防ぐためには、次の3つをおこなってください。
- エサとなるものをなくす
- 整理整頓して清潔に保つ
- 侵入口をふさぐ
エサとなるものをなくす
ネズミが部屋に出入りするおもな目的は食べ物です。
1日に自分の体重の1/3~1/4の量を食べるため、多くの食べ物を必要とするからです。
エサを食べないと、寒い時期には1日、暖かい時期でも4~5日で死ぬことがあります。
いつものエサ場に食べ物がなくなれば、別のエサ場を探しに行くため、ネズミの侵入は減るはずです。
次のようなものがネズミにねらわれやすいので、夜間は片づけておきましょう。
- 仏壇のお供え物や花
- ペットの餌
- 生ごみ など
ネズミは基本的に夜行性です。
仏壇や神棚などに備えてある食べ物や花を食べることがあるので、夜間は片づけてください。
ペットのエサの食べ残しもネズミのエサになりやすいので、夜間は容器ごと片づけましょう。
生ごみは放置せず、蓋つきのゴミ箱に収納するのがよいです。
整理整頓して清潔に保つ
ネズミに侵入されないためには、整理整頓をして清潔に保つことが大事です。
物が多くて散らかっている場所は、身を隠して巣をつくるのに好都合だからです。
また紙や布の切れ端、ビニールゴミや段ボールがあると、ネズミの巣材となります。
不要なものやゴミは撤去して整理整頓し、隠れ場所をなくしましょう。
また、ネズミは人の気配がないところを安全で快適な住処として選びます。
こまめに家具を動かしたり掃除したりすると、ネズミは人間の気配を感じ取ります。
侵入口を防ぐ
ネズミの侵入口はしっかり防ぎましょう。
小さいネズミなら、1㎝ほどの隙間から侵入してしまいます。
またひび割れなどがあると、ひび割れの周囲をがじって隙間を広げ、通り抜けてしまうことも可能です。
そのため侵入口になりそうな隙間は、すべてふさぐのが理想です。

- 換気扇や配管周り
- 通風口
- 戸袋
- 通気口や換気口
- 壁のヒビ
- 軒下の隙間
- 排水管
- エアコン導入部
- 床下排水管
- 窓や扉
上述したラットサインに続いている隙間はネズミの侵入口になっていることが多いです。
隙間をふさぐには、亀甲金網や金属たわしを埋めこむことが効果的です。
また大きな穴には、金属板などで隙間をふさぐのがおすすめです。
ネズミの侵入経路をふさぐ方法はこちらの記事で詳しく解説していますので、参考にしてください。
※1 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。※2 交通費、お客様都合でのキャンセル料は別途発生する場合があります。
放置は厳禁!ネズミが発生することによる被害
ネズミが近くにいると思うと不快になり、精神的にも苦痛を感じますよね。
それだけでなく、ネズミが発生していると健康被害や住宅被害を引き起こす危険性もあります。
健康被害
ネズミは寄生虫や感染症の原因となる病原菌を持っていることが多いです。
触る、噛まれることによる感染はもちろん、ネズミに直接触れなくても糞尿などから感染することもあります。
人への感染症例
ペスト
- 感染経路
-
ネズミに寄生するノミによってペスト菌が運ばれる
ノミに咬まれることにより感染 - 症状
-
- 潜伏期間:1~6日ほど
- 発熱、めまい、虚脱、意識混濁など
- 皮膚が乾いて黒紫色の斑点ができる
- 敗血症を起こし2~3日で死に至ることもある
サルモネラ症
- 感染経路
-
ネズミのふんに含まれるサルモネラ菌によって感染
- 症状
-
- 潜伏期間:12~24時間ほど
- 発熱をともなう急性胃腸炎
- 嘔吐、下痢、腹痛、全身の倦怠感など
レプトスピラ症
- 感染経路
-
糞尿から排出されたレプトスピラ菌が水や土壌を介して、小さな傷口、皮膚、粘膜から感染
ドブネズミによる感染が多い - 症状
-
- 潜伏期間:5~14日
- 軽症:頭痛、腹痛、筋肉痛せき、鼻づまり、発熱など風邪に近い症状
- 重症:出血、黄疸、腎不全など
腎症候性出血熱
- 感染経路
-
ハンタウイルスによって感染
ネズミに咬まれる、排泄物に触れる、空気中に広がっている小さな液体や固体を吸入することにより感染 - 症状
-
- 潜伏期間:10~30日
- 発熱、上気道炎症状、蛋白尿、血尿
- 全身に点状の出血斑、低血圧、腎不全など
鼠咬症
- 感染経路
-
ネズミに咬まれる、ひっかかれることにより感染
糞尿によって汚染された水や土壌を介した経口感染も起こる - 症状
-
- 潜伏期間:3~10日
- 発熱、嘔吐、頭痛、腫れや赤みなどの皮疹、疼痛
- 意識障害、気管支炎、肺炎、髄膜炎などを合併することもある
人へ被害を及ぼす寄生虫例
イエダニ
- 感染経路
-
ネズミに寄生しているイエダニに刺されることにより発症
脇の下や腹部の周辺など、皮膚のやわらかい箇所から吸血 - 症状
-
- 激しいかゆみ、赤みや腫れなどの発疹など
参考:ラット咬傷歴が認められない鼠咬症例 NIID国立感染症研究所
住宅被害
ネズミによる住宅被害の原因は、おもにかじることです。
電気コードやガス管がかじられて、深刻な経済的被害につながります。
- 家電製品の故障
- 停電
- ガス漏れ
- 漏電・火災
参考:東京都保健医療局|ねずみが与える被害(最終閲覧日:2023年10月23日)
ネズミが家の中のさまざまなものをかじるのは、食べるためではありません。
伸び続ける歯をけずるためです。
人間の歯は一生に一度しかつくられませんが、ネズミなどのげっ歯類の前歯は削れても一生伸び続けます。
前歯が週に2.1〜2.8mm、年間にすると10cmほども伸びます。
前歯が伸びるとエサを食べにくくなるため、固いものをかじり、歯を削っています。
まとめ
ネズミのフンを見分けるときには、他の動物やネズミの種類ごとのフンの特徴と比較するとわかりやすいです。
ネズミと似たフンをする生き物は以下のとおりです。
生き物名 | フンの特徴 |
---|---|
アブラコウモリ | パサパサとして崩れやすい |
ゴキブリ | 1~2.5mmほどの大きさ |
トコジラミ | 赤褐色の液体(シミ) |
イタチ・テン | 溜めフン |
また、ネズミの種類によってもフンの特徴や発生場所が異なります。
ネズミの種類 | フンの特徴 |
---|---|
クマネズミ | 6~10mmほどの細長いふんが広範囲に散らばっている 屋根裏、天井裏、ベランダ、ビルの高層階など |
ドブネズミ | 10~20mmほどの丸っこくて太いフンが水回りにまとまっている 台所、下水周辺、ゴミ捨て場など |
ハツカネズミ | 米粒ほどの大きさのフンが散らばっている 郊外、田畑や草むら近くの物置や倉庫など |
ネズミを放置すると、被害は広がる一方です。
フンによる被害だけでなく、健康被害や住宅被害も引き起こすおそれがあるので、はやめにネズミ対策をしましょう。
自力での駆除対策に不安があるときや、手に負えないと感じるときはねずみ110番へご相談ください。
「ネズミだと思うけど、もしかしたらコウモリかも?」「なんの動物かわからないけど、とにかく調べて駆除してほしてほしい!」
このようなご依頼にも受付対応しています。
被害に気付いたときすぐにご相談いただけるよう、窓口は24時間365日受付いたしております。
どうぞお気軽にご連絡ください。