「家具から砂のような粒が落ちている」
それは沖縄や小笠原諸島に多いダイコクシロアリの仕業かもしれません。
ダイコクシロアリは、本州に生息するシロアリとは異なる特殊な生態を持っています。
この記事では、ダイコクシロアリの見た目の特徴から侵入対策、根絶が難しい理由まで徹底解説します。
この記事を読めばダイコクシロアリの生態や危険性がわかり、大切な家財を守る具体的な対策ができるようになりますよ。
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ダイコクシロアリは大黒天に似た見た目
ダイコクシロアリは、兵蟻(へいぎ)を横から見た姿が七福神の大黒天に似ていることが名前の由来になっています。
出典:公益社団法人 日本しろあり対策協会|シロアリの種類を簡単に判別する方法を教えてください
四角く大きな頭が、頭巾を被った大黒天のように見えませんか?
ダイコクシロアリは階級ごとに異なる役割をもち、コロニー(集団)で生活をしています。
おもな階級と特徴は以下のとおりです。
- ダイコクシロアリの階級ごとの特徴
-
- 兵蟻(へいぎ)
-
コロニーの仲間を外敵から守る兵隊アリ。
頭部の前面が真っ直ぐ切り取られたような形。
攻撃性はなく、外敵が来ると侵入口に頭部で栓をして侵入を阻止する。体の大きさ:3.5~5.5mm
頭部の大きさ:体の1/4ほど
頭の色:黒褐色 - 職蟻(しょくぎ)
-
エサの調達や卵の世話など、コロニー内の仕事の全般をおこなう働きアリ。
コロニーの状況に合わせて他の階級に変わる(分化する)ことができる。体の大きさ:3.0~3.7mm
体の色:乳白色 - 有翅虫(ゆうしちゅう)
-
新たなコロニーを作るために飛び立つ羽アリ。
着地すると羽を切り落とし、メスとオスがペアになって生殖虫の女王アリ・王アリとなる。体の大きさ:5~6mm
羽の長さ:6~7mm
体の色:黄褐色
ダイコクシロアリの職蟻は、女王アリや王アリ、兵蟻など、他の階級に簡単に分化できます。
これは、日本のシロアリとして代表的なヤマトシロアリやイエシロアリにはない特徴です。
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ダイコクシロアリは乾材シロアリ
ダイコクシロアリは、乾燥した木材を食べる乾材シロアリです。
土壌性シロアリ(地下シロアリ)と呼ばれるヤマトシロアリやイエシロアリとは、生態が大きく異なります。
具体的には以下のような点です。
- 乾燥した木材を食べる
- 土壌には生息しない
- 蟻道を作らない
- 加工した巣を作らない
- 小規模なコロニーを形成する
- 小さな穴から砂粒状のフンを排出する
土壌性シロアリは基本的にやわらかくて湿った木を食べますが、ダイコクシロアリは硬くて乾いた木を食べます。
土壌性シロアリはその名のとおり土壌に生息し、土を固めて作った蟻道(ぎどう)というトンネルの中を移動します。
一方、ダイコクシロアリは土壌には生息せず、蟻道も作りません。
土壌性シロアリが土の中や木材の中に巣を作るのに対し、ダイコクシロアリは特別な巣は作りません。
比較的小規模なコロニーで、木材の内部を加害しながら移動します。
ダイコクシロアリの被害の発見に役立つのは、積もるように落ちているフンです。
加害箇所の木材に小さな穴を開けて、粒状のフンを排出します。
ダイコクシロアリと同じ乾材シロアリで、外来種のアメリカカンザイシロアリは本州でも被害があります。
基本的な生態はダイコクシロアリと似ているので、こちらも参考にしてください。
ダイコクシロアリは熱帯地域に分布
ダイコクシロアリは熱帯地域に分布するシロアリです。
日本では、奄美大島・小笠原諸島より南の島々に生息しています。
なかでもダイコクシロアリの生息情報が多いのは沖縄県です。
- 沖縄県の本島と島しょ
- 鹿児島県の島しょ
- 東京都の小笠原諸島
ダイコクシロアリは本州では馴染みのないシロアリですが、沖縄や南西諸島では大きな住宅被害を出しています。
ダイコクシロアリの侵入経路は羽アリと荷物
ダイコクシロアリは、以下のような経路で建物に侵入し、生息場所を拡大します。
- 飛来した羽アリが住み着く
- 家具や梱包材に入って運び込まれる
土壌性のヤマトシロアリやイエシロアリは、土壌から床下を通って侵入するケースがほとんどで、飛来した羽アリがそのまま建物に住み着くことは稀です。
しかしダイコクシロアリは、飛来した羽アリがそのまま木材の加害を始めます。
また、ダイコクシロアリが住み着いている家具や梱包材を、気付かずに運び入れてしまうことでも被害が拡大します。
家具にいるダイコクシロアリは、隣接する家具や壁、柱へと、内部を食べ進めながら移動していきます。
ダイコクシロアリが生息している地域では、家具や荷物を搬入前によく点検することや、羽アリの侵入対策をおこなうことが大切です。
ダイコクシロアリの羽アリの群飛は5月~8月の夜
ダイコクシロアリの羽アリは、5月~8月頃の夕方から夜にかけて群飛(ぐんぴ)します。
「群飛」とは羽アリが一斉に飛び出す現象ですが、ダイコクシロアリの群飛は少数ずつです。
羽アリは光に向かう性質があるため、家屋の電灯に集まります。
ダイコクシロアリの群飛時期には特に、以下のような羽アリの侵入対策を徹底しましょう。
- 窓やドアを開けっぱなしにせず網戸を活用する
- 窓やドアの周りに羽アリ用の虫よけスプレーを吹きかける
- 遮光性の高いカーテンをして光が外に漏れないようにする
羽アリ対策の詳しい方法は、以下の記事で解説しています。
ダイコクシロアリは根絶が困難
ダイコクシロアリは、以下のような理由から根絶が難しいシロアリだといわれています。
- 木材の内部深くに入り込む
- 蟻道や巣を作らない
- 小規模なコロニーを複数作る
- 少数の職蟻だけでコロニーが再生する
ダイコクシロアリの生息場所は、一見するとわかりません。
木材の内部に小規模なコロニーで生息しているからです。
蟻道や巣を作らないことも、ダイコクシロアリの発見を難しくしています。
見つけたシロアリを駆除しても、職蟻を数匹でも取り逃がせば、生殖虫に分化して新たなコロニーを作られてしまいます。
そして、見つけたコロニーが被害のすべてとは限りません。
1つの建物に複数のコロニーがいることも珍しくないのです。
ダイコクシロアリの駆除は、繰り返し薬剤処理と調査が必要になり、長期戦になります。
ダイコクシロアリの駆除方法
ダイコクシロアリのおもな駆除方法は、穿孔注入(せんこうちゅうにゅう)処理と天幕燻蒸(てんまくくんじょう)処理の2つです。
日本では穿孔注入処理が基本
日本のダイコクシロアリの駆除は、穿孔注入(せんこうちゅうにゅう)処理が基本です。

穿孔注入処理とは、被害箇所にドリルで穴を開けて、内部に専用薬剤を注入する駆除方法です。
穿孔注入とあわせて、周辺の木材の表面も、薬剤を吹き付けたり塗布したりして処理します。
穿孔注入処理では、ダイコクシロアリがいる場所を見極めて、木材の奥深くにまで薬剤を届かせなければいけません。
処理中に逃げられてしまうことや、ダイコクシロアリの生息場所を見つけ切れないこともあり、一度の処理では駆除が完了しないことが多いです。
処理後には数ヵ月おきに点検をおこない、新たな被害が見つかればまた穿孔注入処理を施します。
参考:公益社団法人 日本しろあり対策協会|乾材シロアリの総合管理システム(最終閲覧日:2026年5月6日)
天幕燻蒸処理は駆除効果が高いが危険性や費用も高い
天幕燻蒸(てんまくくんじょう)処理は、建物全体や、被害のある家具をシートで覆い、ガスを充満させて駆除する方法です。
木材の内部に潜んでいるシロアリまで一掃できる駆除方法ですが、ガスを使うため危険性が高いです。
処理中の建物には最低3日間は立ち入ることができず、民家が隣接している地域では近隣の許可取りも難しいでしょう。
また、ガスには残効性がないため、新たな被害の予防にはなりません。
そして、高度な技術と特殊な専用機器が必要で、費用が高額になりやすいです。
以上の理由から、天幕燻蒸処理は日本では、文化財などの特殊なケースでしかおこなわれていません。
まとめ
ダイコクシロアリは、兵蟻の頭部が大黒天のような形をしているシロアリです。
熱帯地域に分布しており、日本では奄美大島や沖縄、小笠原諸島で生息が確認されています。
ダイコクシロアリは乾燥した木材を食べる乾材シロアリで、加害箇所に開けた小さな穴からフンを落とします。
羽アリの飛来や、被害のある家具の運び入れなどで家屋に侵入し、気付かないうちに家中の木材を加害していきます。
5月~8月頃はダイコクシロアリの羽アリの群飛時期です。
生息地域の方は、羽アリが侵入しないように気をつけましょう。
砂粒状のフンなど、ダイコクシロアリの被害のサインを見つけたら、すぐにシロアリ110番にご相談ください。
長期戦となるダイコクシロアリの駆除も、お近くのシロアリのプロが徹底的に対応いたします。
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