蜂の巣駆除が自分でできた！小さな蜂の巣を市販の道具で駆除する方法

「蜂の巣を駆除したい！けど自分でできるものなの？」
ご安心ください。
蜂の巣駆除は自分でできます。

「でも……たくさんの蜂が一斉に襲ってきたら怖い！」という方も多いでしょう。
じつは、蜂が少ない時間・時期におこなえば安全に駆除ができます。

ただし自分で駆除できる蜂の巣は「小さな蜂の巣である」など注意事項があるため、この記事で確認してください。

この記事では、蜂の巣駆除を自分で安全におこなうために必要な道具や手順を解説します。

読んでいただければ状況に合わせて正しく自分で蜂の巣駆除ができるため、お困りの際はぜひ参考にしてください。

※蜂の巣駆除は危険作業です。自分で駆除した際に起きたトラブルに対して弊社は責任を負いかねますので、必ず自己責任にておこなってください。

蜂の巣駆除を安全に自分でおこなう4つの条件

蜂の巣駆除は危険なため、安全におこなうには条件があります。

春先は蜂の巣が小さく、蜂の数も少ないため比較的安全に駆除できます。
条件を満たしたら、蜂の巣を自分で駆除してみましょう。

上記に当てはまらない方や、現在賃貸か分譲マンションにお住まいの方は、蜂駆除業者、役場や管理会社に相談しましょう。
詳細は【蜂の巣を見つけたら連絡すべき4つの相談先】をご確認ください。

駆除する時期が4～5月

「巣の大きさ＝働き蜂の多さ」であるため、巣が小さい4～5月ならば比較的安全に駆除ができます。

多くの蜂は春～夏に巣を作りはじめ、秋頃に巣の大きさが最大になります。
巣が大きくなるにつれて蜂の数も増えるため、もっとも危険な時期は夏の終わりから秋頃です。
次期女王蜂が生まれる夏の終わり～秋は、蜂が多いうえに攻撃的なので巣の駆除はやめましょう。

巣が小さい春先に駆除をおこないましょう。

アシナガバチかミツバチの巣

アシナガバチかミツバチの巣なら、より安全に駆除できます。
どちらもおとなしい蜂で、襲われる危険性が低いためです。

ただしおとなしいとはいえ、アシナガバチ・ミツバチともに毒があります。
刺されないように、蜂の動きが鈍い時間帯を狙うなど万全の体制で挑みましょう。

スズメバチを自分で駆除するのはおすすめしない

スズメバチの巣は危険なので、自力駆除はおすすめしません。

他の蜂同様、巣が小さいうちならば蜂の数が少ないため自力駆除もできますが、スズメバチは攻撃性・毒性が高く万が一刺されると危険です。
「以前蜂に刺されたことがある」など少しでも不安を感じたら無理せず、スズメバチ駆除は蜂駆除業者に依頼しましょう。

蜂の種類を見分けられないときは、業者に相談しましょう。

5cm未満の小さい蜂の巣

蜂駆除のプロにうかがったところ、ゴルフボールぐらいの小さな蜂の巣であれば自分で駆除できるようです。

ハチ110番では蜂駆除業者6社に、自力で駆除できる巣の大きさを質問しました。
業者ごとに見解は異なりましたが、5cmほどという結果でした。
ゴルフボールの直径が約4.2cmのため、ゴルフボールと同じぐらいの大きさであれば自力駆除ができそうです。

ただし「大きさに関わらず危険なためやめたほうがよい」という意見もあり、自力駆除が不安な場合は大きさに関わらず蜂駆除業者に相談しましょう。

すぐに逃げられる開放的な場所に蜂の巣がある

逃げやすい開放的な場所に巣がある場合のみにしましょう。

屋根裏や床下など閉鎖的な場所で蜂駆除をおこなうと、逃げられず蜂に刺されるかもしれません。
加えて蜂駆除スプレーの多くは屋外専用のため、密閉空間で使える道具は限られます。
密閉空間で蜂駆除スプレーを使うと気分が悪くなるなどの悪影響がでる可能性があり、おすすめできません。

蜂に巣を作られやすい場所のなかでは、庭木や軒下に作られた巣なら比較的駆除しやすいでしょう。
他にもすぐに室内に逃げ込める環境であれば、自分で蜂駆除ができます。
万が一の動線を考えておきましょう。

自力駆除できる蜂の巣の基準は以上です。
駆除する場合はしっかり準備を整えておこないましょう。

また「ゴルフボールよりも大きな巣がある」など基準を満たさなかった場合は、蜂駆除業者などにご相談ください。
では条件が確認できたら、早速蜂の巣駆除をおこないましょう。

蜂の巣駆除の道具を用意する

蜂の巣駆除の道具はすべてホームセンターや通販で購入できます。
蜂の巣駆除を安全におこなうために、以下の道具をそろえましょう。

蜂の巣駆除用の道具
防護服、蜂駆除用スプレー、赤いセロファンを貼った懐中電灯
巣の片付け用の道具
長い棒（またはトング）、ゴミ袋、新聞紙、ホウキ、チリトリ
刺された場合に備える道具
ポイズンリムーバー、スマートフォン

万が一に備え、刺された際にすぐ助けが呼べるようにスマートフォンは充電し、室内のすぐ手に取れる場所に用意しておきましょう。

また防護服が必要ですが、蜂駆除用の防護服を持っている方は少ないでしょう。
じつは防護服は購入するだけでなく、代用品やレンタルで済ませる方法があります。

防護服は代用・レンタル可能

防護服は厚手のレインコートなどで代用できます。
より確実に防護したいなら、市役所などでレンタルするのもよいでしょう。

防護服の代用品を着る
蜂駆除用の防護服を用意しない場合は、肌を露出しない厚手の服装を心がけてください。
薄い服やピッタリと肌に密着する服だと、針が貫通してしまいます。

また袖やズボンの裾から蜂が入らないように、ゴムやひもなどで縛りましょう。

防護服をレンタルする
市役所などの行政機関によっては、防護服を貸し出しています。
しっかりした防護服は約7万円※するため、蜂の巣駆除が一度きりの予定ならレンタルを活用しましょう。

※後述の防護服関連記事参照

インターネットで「自治体名　蜂の巣駆除」で検索するとお住まいの地域の蜂駆除情報が見つかるため、調べてみてください。

参考：石川県志賀町｜ハチ防護服の貸し出し（最終閲覧日：2025年6月2日）

実際に防護服を着てわかった注意点

ハチ110番編集部のスタッフが実際に防護服を着たところ、暑さと着づらさに難点がありました。
防護服を着るときは保冷剤と脱着を手伝ってくれる人を準備しておくとよいでしょう。

編集部スタッフが防護服を来たところ、15分程度の作業で汗だくになりました。
プロに話を聞いたところ、作業中に熱中症になった方もいたとのことでした。

また、防護服は伸縮性がないうえ各部位のファスナーやテープを順に締めていくため、1人での脱着が大変でした。

そのため作業の際は保冷剤などで熱中対策をしつつ、脱着の際には手伝ってくれる人がいると安心です。

防護服に関しては、関連記事でも解説しているためこちらもご確認下さい。

道具の準備を終えたらいよいよ蜂の巣駆除です。
蜂の巣駆除の正しい手順を紹介します。

自分で蜂の巣を駆除する4つの手順

安全に、確実に、蜂の巣駆除をするために、正しい手順を確認しておきましょう。

大変ですが、どれも安全に蜂を駆除するために必要なことです。

また可能であればもうひとりお手伝いの方がいると、より作業がしやすくなります。

万が一蜂に刺されてももうひとりが助けを呼べるため、可能であればご家族やご友人に相談しておくとよいでしょう。

しっかり準備し、細心の注意を払って蜂の巣駆除をおこないましょう。

参考文献
小川原 辰雄．人を襲うハチ．山と渓谷社，2019

1.日没後に蜂の巣駆除を始める

蜂の巣の駆除は、日没後におこないます。

蜂は日中に活動し、夜は動きが鈍くなるためです。
また、夜は蜂が巣に戻っているため蜂を一網打尽にできます。

暗いなかの作業になりますが、蜂の巣に懐中電灯の光をあてると蜂が驚いて襲ってきます。
そこで、蜂が視認しづらい赤色のセロファンを貼った懐中電灯を使いましょう。

懐中電灯を当てても蜂を刺激しにくくなります。

2.風上から蜂の巣にスプレーを噴射する

蜂の巣にスプレーをかけるときは、風上から蜂の巣の出入り口に向かって噴射しましょう。

巣に近づくほど蜂の警戒心が強まるため、3～4m離れた場所からスプレーを噴射しながら近づきます。

スプレーは適用害虫に「蜂用」と書かれた商品を使用します。
これから購入する方には以下の商品がおすすめです。

参考価格	Amazon：995円 楽天市場：1,393円 Y!ショッピング：1,800円

※参考価格は2025年6月2日時点のAmazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングでの価格（税込み・東京都への送料込み）です。

無風時は最大12m先まで届くため、蜂との距離を空けて駆除できます。
蜂の巣駆除の場合は3〜4mの距離をとり、たっぷりと噴射しましょう。
スプレーが途中で切れても大丈夫なように数本用意すると安心です。

スプレーの選び方や他のおすすめスプレーはこちらでご紹介しています。

3.蜂の巣を落として片付ける

スプレーをかけ続け、巣から蜂が出てこなくなったら蜂の巣を片付けましょう。

新聞紙を敷いて、トングや長い棒で蜂の巣を落とし、ゴミ袋に入れます。
念のために袋の中にスプレーを噴射し、口を閉じて密閉しましょう。

これで巣の中で生き残っていた蜂も、残らず駆除できます。

蜂の死骸に触ると毒針が出る場合があります。
巣や死骸は素手で触らず手袋を着け、ホウキやチリトリで回収してください。
回収後は可燃ゴミとして処分しましょう。

4.再発防止のため予防効果のあるスプレーを噴射する

駆除が終わったら、再発防止のため蜂の巣があった場所周辺に予防効果のあるスプレーを噴射します。

蜂が巣を作ったということは、そこは蜂にとって住みやすい場所です。
放っておくとまた蜂が巣を作るおそれがあるため、蜂予防をおこないましょう。

スプレーだけでなく蜂よけグッズを使うのもおすすめです。

関連記事には蜂よけグッズの紹介やオニヤンマの模型の実験結果などが記載されているため、ぜひご覧ください。

【駆除後】戻り蜂対策をする

蜂の巣を駆除した2～3日の間は、駆除しきれなかった戻り蜂がうろつくことがあります。
放置しても問題ありませんが気になる場合は、スプレーや粘着シートで対策しましょう。

戻り蜂は名前のとおり巣に戻って来た蜂のことで、ほとんどが遠くまでエサを捕りに行っていた働き蜂です。
戻り蜂だけでは巣を再建できず、そのうちどこかにいってしまうため放置しても問題ありません。

気になる場合は防護服を着てスプレーで駆除するか、黒い粘着シートを吊るしておきましょう。
蜂は黒色に攻撃する習性があるため、黒い色の粘着シートだとより捕獲率が上がります。

これで蜂の巣を自分で駆除する方法は以上です。
安全に配慮し、気を付けて蜂駆除をおこないましょう。

しかしいざ駆除を始めると「思ったより蜂の巣が大きかった」「高所や閉所で駆除がしづらい」など、自力での蜂の巣駆除が難しいケースもあるでしょう。

駆除が難しいと感じたら、蜂駆除業者などに相談しましょう。

蜂の巣を見つけたら連絡すべき4つの相談先

蜂の巣を見つけた際に、駆除依頼ができる連絡先をまとめました。

依頼先	特徴
賃貸物件の管理会社・大家さん	賃貸物件や分譲マンションにお住まいの方は、被害の大小に関わらずまず連絡すべき
市役所などの行政機関	市区町村によって対応が違うが、無料で駆除してくれる地域もある
蜂駆除業者	費用や作業内容など好きな業者を自分で選べる
ホームセンター	近所のホームセンターで相談できる

行政機関と賃貸物件は個々の状況によりますが、人によっては無料で駆除依頼ができるかもしれません。
また蜂駆除業者とホームセンターの蜂駆除費用は、約3万円～4万円でした。

詳しく見ていきましょう。

賃貸物件の管理会社・大家さん

アパートなどの賃貸物件や分譲マンションにお住まいの方は、被害の場所に関わらず管理会社などの管理者に連絡してください。

賃貸物件の蜂の巣駆除は、自分で勝手におこなうとご近所や管理者とトラブルになるおそれがあります。
また共有場所は管理者が管理をおこなうため、駆除費用は管理者が負担してくれるはずです。

蜂の巣を見つけたらまず管理者に連絡し、今後の指示を仰ぎましょう。
賃貸物件の蜂駆除に関しては関連記事もご確認ください。

市役所などの行政機関

お住まいの行政機関によっては、無料で蜂駆除をしてくれます。
蜂駆除の対応は地域によって異なりますが、おもに以下のいずれかの対応になります。

参考：東京都品川区｜ハチの巣を見かけたら（最終閲覧日：2025年6月2日）

蜂駆除の対応は「危険なスズメバチだけ対応している」「対応はしていない」など、市区町村によって変わるため、確認が必要です。
役所の公式サイト、またはメールや電話で役所に問い合わせてください。
関連記事では具体例も交えてより詳細に解説しているため、気になる方はこちらも参考にしてください。

蜂駆除業者

蜂駆除業者は、費用やサービスを比較して自分で業者を選びたい方におすすめです。
駆除だけでなく蜂の巣の処分や清掃、予防まで一括で頼めます。

蜂駆除費用は蜂駆除業者によって異なりますが、ハチ110番の加盟店の場合は約4万円の事例が多いです。

蜂駆除費用は蜂の種類以外にも、巣ができた場所の高さや巣の大きさなどの要素が絡みます。
関連記事では実際の事例を交えながら解説しているため、気になる方はこちらもご確認ください。

正確な蜂駆除費用を知りたい方は、蜂駆除業者に見積りをとってみましょう。
さらに複数の業者から相見積りをとれば、費用やサービス内容などを比較することで納得して任せられる業者を見つけやすくなります。

「見積りを取りたいけれど、蜂駆除業者に心当たりがない」という方は、ハチ110番にご相談ください。
ご希望の日時や被害の場所をお伝えいただければ、ご希望にあった業者をご紹介します。

他社様との相見積りも歓迎！
業者選びでお悩みの際はぜひハチ110番にご連絡してください。

ホームセンター

ホームセンターでも、蜂駆除依頼できる店舗があります。
買い物ついでに相談や駆除依頼ができるため「まだ決めてないけど、話だけでも聞きたい」という場合におすすめです。

ただし蜂駆除作業はホームセンターの従業員ではなく、委託した別の蜂駆除業者がおこないます。
そのため「どのような業者が来るか？」「どのような作業をするか？」は、同じホームセンターでも地域によって対応が異なる場合があります。

費用はホームセンターにもよりますが、大手ホームセンターのコメリの場合はアシナガバチ15,000円～（税込）、スズメバチ33,000円～（税込）でした。

業者や作業内容が気になる方は、依頼前にホームセンターに問い合わせましょう。

参考：コメリ住急番｜ハチ駆除サービス（最終閲覧日：2025年6月2日）

蜂の巣を自分で駆除する際によくある疑問

最後に、蜂の巣駆除の際に気になる方が多いポイントをまとめました。
まだ疑問が残っている方はぜひ目を通してみてください。

蜂を駆除しなくてよいケースはある？

種類や季節などで危険性が低い場合、蜂を駆除しなくても問題ありません。
具体的には以下のとおりです。

アシナガバチは芋虫などの害虫を食べ、ミツバチは受粉をおこなう益虫です。
民家から離れた場所の巣など、危険性がなければむやみに駆除する必要はありません。

また、11月頃になるとスズメバチやアシナガバチの巣は空っぽになるため、大掛かりな駆除の必要はありません。
巣は残しておいてもいずれ風化しますが、気になる方は巣を撤去しましょう。

セグロアシナガバチなど、一部のアシナガバチはスズメバチの巣を利用して集団での越冬が報告されています。
気になる方は万全の準備で巣を駆除するか、蜂駆除業者にご相談ください。

参考：沖縄県衛生環境研究所｜室内で越冬中のセグロアシナガバチ2集団の観察（最終閲覧日：2025年6月2日）

ペットボトルの蜂トラップは効果がある？

巣が作られる前、または春先なら効果があります。

ペットボトルの蜂トラップとは、自宅にあるもので簡単に作れる自作トラップです。

蜂は1匹の女王蜂が巣を作り、女王蜂からたくさんの働き蜂が産まれて数が増えます。
そのため、蜂が巣を作る前の春先に女王蜂を捕まえれば、将来の被害を未然に防げるというわけです。

しかし、働き蜂の数が増える夏以降にトラップを仕掛けると、誘引剤に誘われて多くの働き蜂が集まり逆効果です。
すでに巣ができている場合は、巣ごと蜂駆除をおこないましょう。

関連記事にトラップの作り方や注意点がまとめられているため、気になる方はご確認ください。

蜂に刺されたらどうすればいい？

体内の毒を絞り出し、すぐに医療機関を受診してください。
以下の順序ですみやかに対処してください。

蜂毒が体内に入ると、最悪の場合アナフィラキシーショックによって命を落とすおそれもあります。
発症すると自力で医療機関に向かったり救急車を呼んだりするのは難しいため、蜂の巣駆除の際は安全な場所で協力者に待機してもらうとよいでしょう。

また、蜂駆除だけでなくハイキングや登山などで蜂に刺される可能性がある場合は、ポイズンリムーバーがあれば毒を絞り出す際に役立ちます。

応急処置をしたら早急に医療機関を受診してください。
関連記事ではより詳しく、蜂に刺された際の対処法を解説してるため蜂駆除の前に一度ご確認ください。

まとめ

蜂の巣を自分で駆除する方法の重要なポイントをまとめました。

条件を確認し、万全の準備を整えれば蜂駆除は誰でもできます。

また万が一を考え、蜂に刺された際の対応を頭に入れておけば準備万端です。
安全に配慮しながら、蜂の巣駆除を自分でおこないましょう。

しかし「調べた結果スズメバチの巣だった」「巣の直径が明らかに5cmを越えている」と条件に合わない場合は、無理せず蜂駆除業者にお任せください。

ハチ110番は、24時間365日いつでもご相談をお待ちしています。
蜂の巣の駆除はどれだけ準備しても危険をともなうため、不安な方はお気軽にご相談ください。