「ゴキブリが何度も出るから、家中を調べてみたら卵を見つけた」
「家のあちこちに卵が落ちている」
このような状況では、すでにゴキブリが住み着いて繁殖しているおそれが高いです。
まずは早急にゴキブリ駆除をおこないましょう。
なぜなら目につく卵だけ駆除しても、メスが生きていれば卵を産み続け、どんどん数が増え続けてしまうからです。
根本的に解決するためには、メスを駆除して繁殖を食い止める必要があります。
そこで今回は次の内容を解説します。
この記事を読めば、ゴキブリの卵の適切な処理方法がわかります。
また、しっかりと対策することでゴキブリを根絶して再発も防げます。
何度もあらわれるゴキブリや、あちこちにある卵に不安を感じている方はぜひ参考にしてください。
家に出やすいゴキブリ2種類の卵(卵鞘)の特徴
ゴキブリの卵は種類によって色や形が異なります。
特徴を知っておくと種類を判断するのにも役立つので、当章を参考にぜひ覚えておきましょう。
ちなみにゴキブリが産むのは卵鞘(らんしょう)と呼ばれるカプセル状のものです。
卵鞘は固い殻でできていて、やがて幼虫になる卵は卵鞘の中に入っています。
少しわかりづらいですが、それぞれの違いも認識しておきましょう。
クロゴキブリの卵鞘は黒色・扁平形
クロゴキブリの卵鞘は黒色・扁平(へんぺい)形で、がま口のような見た目をしています。
直径は1cmくらいで、部屋に落ちていると目につきやすいです。
卵鞘の中には20〜30個ほどの卵が入っています。
チャバネゴキブリの卵鞘は茶褐色・長方形
出典:株式会社シー・アイ・シー|親死亡のチャバネゴキブリ卵鞘孵化(最終閲覧日:2024年8月9日)
チャバネゴキブリの卵鞘は茶褐色・長方形(俵型)です。
大きさは0.5cmくらいでクロゴキブリの卵鞘よりも小さいですが、落ちていたら目視できる大きさです。
卵鞘の中には30〜40個ほどの卵が入っています。
注意点として、チャバネゴキブリは繁殖力が強く、1匹のメスから1年間に2万匹以上の子孫が生まれるといわれています。
子孫の数はあくまで試算ですが、卵鞘を見つけたら確実に駆除して大量発生を防ぎましょう。
1匹の雌成虫から1年間に生ずる子孫の数として,産卵数や発育期間から計算上考えられる数は,チャバネゴキブリで20,000匹(石井,1976)や400,000匹(Krese,1948)の数字,ワモンゴキブリで800匹,トウヨウゴキブリで200匹(Krese,1948)の数字が示されている。
出典:辻英明.衛生害虫ゴキブリの研究.北隆館.2021(89p)
ゴキブリの卵鞘は暗く湿度が高い場所に産みつけられる
では、ゴキブリの卵鞘を見つけるには、具体的にどのような場所を探せばよいのでしょうか?
ゴキブリは暗く湿度が高い場所に卵鞘を産み付けます。
例えば以下のような場所です。
- 稼働中の家電の下・裏
- 家具や食器棚の裏
- シンク下の扉の中
- 新聞紙や段ボールの隙間
- 観葉植物の土の中
家の中では上記のような場所を重点的に探してみましょう。
ゴキブリの卵鞘はつぶして完全駆除する
ゴキブリの卵鞘を見つけたら、ゴム手袋を着用したうえでティッシュで包み、ビニール袋に入れます。
そうしたら、少し抵抗があるかもしれませんが、指で圧迫してつぶしましょう。
つぶすといっても中身が出るほど押しつぶす必要はなく、軽く圧迫してヒビを入れるだけで大丈夫です。
卵鞘にヒビが入る程度でも、中の卵は外気に触れて乾いて死滅します。
最後にビニール袋の口をしっかりと縛って処分しましょう。
トイレに流したり掃除機で吸うのはNG!
ゴキブリの卵鞘を気持ち悪いからと掃除機で吸ったり、つぶさずにトイレに流してしまうのはNGです。
中身を物理的につぶして死滅させない限り、掃除機やトイレの中で孵化する危険性があります。
卵を見つけたら確実につぶすよう心がけましょう。
根本的な解決にはメスの駆除が必要
ここまで卵の駆除方法を解説しましたが、根本的に解決するには卵を産むメスの駆除が必要です。
目に見える卵だけ駆除しても、どこかにメスが1匹でもいれば新たに卵が生まれ続け、どんどん孵化して増えてしまうからです。
ただ、メスはほとんど巣から出てこないため、直接スプレーで駆除するのは困難!
そこでおすすめなのがベイト剤(毒エサ)です。
以下でベイト剤の特徴やおすすめ商品を解説するので、ぜひご覧ください。
ベイト剤による駆除が効果的
ベイト剤の成分は体内に入ったあとゆっくりと効き始めます。
巣の外にいるゴキブリが毒エサを食べると巣に帰った頃に効き始め、巣の中で死ぬことが多いです。
毒エサを食べたゴキブリの死骸は、ずっと巣の中にいるメスの貴重なエサになります。
ただ、死骸には毒の成分が残っているので、メスにも毒がまわってやがて死んでしまいます。
このような連鎖効果で、巣から出てこないメスも駆除できるというわけです。
では、代表的なベイト剤をご紹介します。
参考価格 | Amazon:1,019円 楽天市場:1,278円 Y!ショッピング:940円 |
有効成分 | フィプロニル |
効果の持続期間 | 約1年※ |
※使用環境により異なります
※参考価格は2024年8月19日時点のAmazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングでの価格(税込み・東京都への送料込み)です。
本商品は速効性のあるフィプロニルを配合し、置いた日から効果を発揮します。
毒エサを食べたゴキブリはもちろん、その死骸やフンを食べた仲間のゴキブリ、メスの持つ卵にも効くので、巣ごと一網打尽にできますよ。
メスが潜む巣の探し方やベイト剤の効果的な設置場所は以下の記事をご覧ください。
ゴキブリの産卵時期は種類ごとに異なる
ここからはゴキブリの産卵をもう少し詳しく見ていきましょう。
まずは産卵時期についてです。
ゴキブリの産卵時期は種類ごとに異なります。
- クロゴキブリ:7~10月頃
- チャバネゴキブリ:1年中
クロゴキブリは7~10月頃
クロゴキブリは7〜10月頃にかけて産卵します。
そして秋の終わりに最後の産卵を終えた親は、冬の間、屋外で越冬・休眠します。
孵化までの期間は産み付けられた時期によって変わります。
7~9月中旬頃までに産み付けられた卵鞘は40日前後で孵化し、孵化した幼虫は幼虫のまま越冬・休眠します。
一方で9月中旬以降に産み付けられた卵は卵鞘のまま越冬し、次の年の5〜6月頃に孵化します。
孵化するまでの期間は約8ヵ月です。
このように産卵時期の違う個体を混在させることで、自分や仲間に不測の事態が起きてもどれがが生き残る可能性が高まります。
まさにゴキブリの生存戦略ですね。
チャバネゴキブリは1年中
チャバネゴキブリは時期を問わず1年中産卵します。
クロゴキブリと違って冬の休眠はせず、冬でも暖かくエサと水がある場所があればそこで生存しています。
卵は産み付けられてすぐに孵化します。
すぐ孵化できる理由は、チャバネゴキブリが卵鞘を孵化直前まで自分の体に抱えて過ごすからです。
卵を抱えている期間は約20日間です。
産み付けられてすぐに孵化してしまうため、先ほどご紹介した卵鞘だけ発見することは実際にはほとんどないでしょう。
産卵方法と産卵回数も種類ごとに異なる
続いて産卵方法と産卵回数についても見ていきましょう。
ゴキブリの産卵方法と産卵回数も種類によって異なります。
具体的には以下をご覧ください。
- クロゴキブリ
-
- 産卵方法
-
卵鞘をお尻から突き出した1~2日後に産み付ける
- 産卵の間隔
-
1~2週間
- 産卵回数(月)
-
1ヵ月に2~3回
- 産卵回数(一生)
-
約10回
- チャバネゴキブリ
-
- 産卵方法
-
卵鞘をお尻につけたまま20日間ほど過ごしぽろっと産み落とす
- 産卵の間隔
-
1週間
- 産卵回数(月)
-
1ヵ月に1回
- 産卵回数(一生)
-
4~8回
では、上記の内容をより詳しく解説します。
クロゴキブリの産卵は1ヵ月に2~3回
クロゴキブリは産卵間隔が短く、頻繁に卵鞘を産みます。
自然環境下でのクロゴキブリの成虫の寿命は約3〜6ヵ月で、この間に約10回産卵します。
卵鞘はお尻から突き出した1~2日後に産み付けられ、1~2週間後には再び卵鞘が出ます。
単純計算で1ヵ月に2〜3回ほど産卵していることになりますね。
下図にクロゴキブリの産卵サイクルをまとめたのでご覧ください。
クロゴキブリの生態や駆除、対策方法をもっと詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
チャバネゴキブリの産卵は1ヵ月に1回
チャバネゴキブリの産卵間隔はだいたい1ヵ月に1度で、クロゴキブリに比べると長いです。
チャバネゴキブリの成虫の寿命は約4~8ヵ月で、この間に4~8回の産卵をおこないます。
特徴的なのはお尻に卵鞘をつけたまま20日間ほど過ごし、時期が来るとぽろっと産み落とすところです。
そして1週間ほど経つと、再び卵鞘が出ます。
下図にチャバネゴキブリの産卵サイクルをまとめたのでご覧ください。
チャバネゴキブリの生態や駆除、対策方法をもっと詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
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