「CANインベーダーってなに?」
「もしかして自分の車も狙われているかも……」
「どんな対策をすればいいのかわからない」
車の盗難に関するニュースを目にするたび不安になることはないですか?
そもそも、盗難手口を理解できていないと的確な対策は難しいですよね。
そこで今回はCANインベーダーの具体的な盗難手口と対策方法をわかりやすく紹介します。
この記事を読んでいただけたら、車の盗難に関する不安が解消され、今日から実施するべき対策がわかります。
CANインベーダーとはCAN通信を利用した盗難手口
CANインベーダーは車に搭載されたCAN通信を利用して、エンジンの始動やロックの解錠をおこない盗難する手口です。
車体のシステムを連携し情報を集める心臓部の役割を担うCAN通信に侵入し、エンジンの始動やロックの解錠を可能としてしまう仕組みです。
盗難の流れと実際に被害に遭った方のインタビューをもとに手口についてわかりやすく説明します。
- バンパー付近からCAN通信に配線と専用機器を接続
- CAN通信に侵入後、信号を送りドアロックの解錠、エンジンを始動
- 5分から10分で作業を完了し逃走
CANインベーダーの実際の被害内容
実際の被害内容はどのようなものなのでしょうか。
CANインベーダーの被害に遭われた方に伺った内容を以下で紹介します。
- 取材対象者:愛知県在住 40代女性
- 取材日時:2025年11月25日
- 盗難日時:2023年8月
- 車種:ランドクルーザー(プラド)
- 被害に遭った場所:自宅カーポート
- 被害にあった時間帯:深夜0時
- 周囲の環境:住宅街だが人通りは少ない
- 犯行時間:5分から10分
- 犯人の人数:2人
- 防犯対策:カーポートに防犯カメラ、人感センサー
- ドライブレコーダーの有無:あり

実際に被害に遭った際はどのような状況でしたか?



深夜0時、私以外の家族全員が就寝している状況でした。
夏場で家の窓やドアはすべて締め切っており、盗難寸前、エンジン音で異変に気付きました。
また、犯人はプリウスなど静音性の高い車で侵入するため車の騒音等も一切気になりませんでした。
気付いたときにはすでに解錠されており、盗難される直前ということでしょうか。



そうですね。
エンジン音で気付いた時には車が走り去っていました。
あとで防犯カメラの映像を確認してみると、犯行時間は5分から10分という短い時間でした。
盗難される前に予兆や異変はありましたか?



ありました。
盗難をされる日以前に、複数回怪しい車が自宅周辺を偵察していました。
おそらく、犯行グループがリストから盗難する車の狙いを定め、生活リズムや人気のいない時間帯を事前に調査しているんです。
念入りに準備されたプロによる犯行ということですね。
今回、CANインベーダーによる盗難被害に遭う前は、盗難に対する知識や対策はしていましたか。



じつは、今回の盗難は2回目でした。
1回目は、真冬の深夜にマンションの駐車場でランドクルーザーを盗難されました。
ランドクルーザーは海外で購入する場合、とても高額であることや海外での人気も高いため日本で車を解体してからパーツとして海外に輸送するようなんです。
戸建てに引越し後も盗難のターゲットになる可能性は考えられました。
その対策として、カーポートに人感センサーや防犯カメラを設置するようにしたんです。
盗難のターゲットや狙われやすいタイミングとして、車種が関係していることや、窓やドアを締め切っている冬や夏など季節性も考えられるということですね。
2回目の盗難被害に遭ったあとは対策方法に変化はありましたか。



ありました。
人感センサーや防犯カメラだけではなくポールを立て、ハンドルロックやホイールロックを活用するようになりました。
盗難を完全に防ぐことは難しいですが、盗みにくい印象を与え、抑止力になるかが重要かと思います。
また、ガソリンを満タンにしないようにしています。
ガソリンを満タンにしない理由は何ですか。



ガソリンがないほうが近隣でみつかる可能性が高いと判断したためです。
理由として、車が盗難されてから海外に輸送されるにはパターンが2つあるようなんです。
ガソリンが満タンのパターンとガソリンがないパターンです。
盗難時にガソリンがない場合は犯行現場から近くのアジトに保管され、その後、解体作業をしたうえで海外輸送されるようなんです。
反対にガソリンがある場合は、ナンバープレートを取り替えた後に県外まで走行し、おそらく海外輸送されているということが警察の情報からわかりました。
このことから、ガソリンがないほうが自宅近辺で車を発見できるのではないかと考えています。
ただ、1度盗難されてしまうと車を取り戻すことが難しいのも現状です。
盗難された車は取り戻すことはできていないということでしょうか。



そうですね。
プロの犯行のため盗難されてしまうと取り戻すことはとても難しいです。
確実に盗難を防ぐことはできませんが、ハンドルロック等のアイテムも活用しながら対策はするようにしています。
インタビューの重要ポイントをまとめました。
- 犯人は事前に偵察をしているため怪しい車両には注意する
- 5分から10分の短時間で犯行をおこなう
- できる対策は網羅的におこなう
- 狙われやすい車種には注意する
- ガソリンの容量に注意する
CANインベーダー3つの特徴
車の盗難手口はリレーアタックやイモビカッター、ゲームボーイ等さまざまな手口があり、各特徴は異なります。
以下では、CANインベーダーの盗難手口の特徴を3つのポイントから説明します。
物理的な破壊をしない
CANインベーダーは、窓を割ったり物理的な破損をせず通信に侵入し盗難をする手法です。
音を立てることなく実行し、車体に傷を残さないのも特徴の1つです。
物理的な破壊をしない点は、リレーアタックと似ていますが盗難手口は異なります。
正規キーの複製をしない
前述のとおり、CANインベーダーはCAN通信に侵入し正規キーが存在するかのように情報を発信しエンジン作動、ロック解除をおこないます。
そのため、正規キーの複製や微弱電波を使用しない状態で盗難をすることができます。
時間がかからない
電子システムに侵入する高度な手口ではある一方、時間がかからないことも特徴です。
数分から数十分で犯行におよび、盗難をされてしまいます。
短時間で作業し物理的な破壊をしないため、盗難に気付かれる危険が少ない点も特徴といえるでしょう。
CANインベーダーの対策は網羅的におこなう
現状では、CANインベーダーに対する完璧な対策はありません。
なぜなら、CAN通信は車内の各装置を連携する心臓部分となる重要な装置だからです。
そのため、単純にCAN通信を取り除いて対策することは難しいのが現状です。
だからこそ、高度な手口に対応するために対策は網羅的におこなうことが重要です。
以下では、物理的な対策、システム対策、環境対策の3つの観点から説明します。
市販グッズでできる物理的な対策
ここではグッズを使用した物理的な対策について紹介します。
物理的グッズは、盗難に手間がかかる車であることを視覚的に判断させることで、ターゲットとなることを防ぐことが目的です。
ハンドルロック
ハンドルロックはハンドルを固定することで操作をできないようにするグッズです。
種類は複数あり、ハンドルとダッシュボードを固定する型、ペダルとハンドルを固定する型などさまざです。
その他に、無理やり外そうとするとクラクションが鳴るタイプのハンドルロックもあります。
選ぶ方法としては取り外しの利便性、大きさ、警告音があるかどうかなどを判断材料として考えるとよいでしょう。
| 参考価格 | Amazon:9,480円 楽天市場:9,980円 Y!ショッピング:10,771円 |
※参考価格は2025年12月17日時点のAmazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングでの価格(税込み・東京都への送料込み)です。
タイヤロック
タイヤロックはタイヤに装置を取り付けることにより車を動かないようにするグッズです。
購入する際は特殊合金など頑丈な素材を使用したものや、容易にピッキングされないような鍵を採用しているものをおすすめします。
また、タイヤの大きさや車種によって使用できるものが異なるため、事前にタイヤのサイズを調べておくと安心です。
| 参考価格 | Amazon:16,280円 楽天市場:10,900円 Y!ショッピング:10,800円 |
※参考価格は2025年12月1日時点のAmazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングでの価格(税込み・東京都への送料込み)です。
最新システムを使用した対策
万が一、CAN通信に侵入し解錠された場合でも盗難防止に役立つ最新のシステム装置はいくつかあります。
ここでは、2つの装置について紹介します。
ただし、すべての車種に対応しているわけではないため注意が必要です。
カースティールブロッカー
カースティールブロッカーはエンジンの始動を無効にするアイテムです。
CANインベーダーによる手口で解錠をされた場合に、エンジンを始動させず、車の盗難を防ぐことができます。
エンジンの始動は、設定したセキュリティパスコードを設定することで可能となります。
製品の取り付けには別売のハーネスが必要のためご注意ください。
参考:カーエレクトロニクス総合メーカー DATA SYSTEM|車両盗難防止装置SOS820(最終閲覧日:2025年11月27日)
スマートブロッカー
スマートブロッカーは専用のスマートフォンのアプリでセキュリティ対策をおこない、遠隔操作でエンジンを始動させないようにするシステムです。
スマートフォンを使用してセキュリティのオン、オフを操作できることや、トラブルが発生した際は通知で異常を検知が可能です。
GPS機能も搭載されていることから現在地の把握と追跡ができます。
参考:SAMRTBLOCKER(最終閲覧日:2025年11月27日)
不審者に狙われない対策
不審者に狙われないためにできる対策は、駐車環境の対策です。
警視庁の自動車盗の駐車場別認知件数の推移を確認すると、令和6年の結果では一般住宅がもっとも多いことがわかっています。
また、次いで多いのは駐車(輪)場という結果でした。
この結果から、日頃の駐車環境や、出先での駐車環境についても対策が必須であることがわかります。
以下では、4つのポイントから駐車環境における対策を紹介します。
参考:警察庁|自動車盗難等の発生状況等について(最終閲覧日:2025年11月26日)
屋内に車を停める
一般住宅で車を停める場合は、屋内に停めるようにしましょう。
シャッターやフェンスなど車の近くに侵入できないようにすることも大切です。
また、CANインベーダーは車のフロント部分で作業をおこなうため、駐車の際に空間をつくらないようにするのも一つの手です。
人目につく場所に駐車する
屋外に駐車する場合は、人通りが多い場所など人目につく場所での駐車をおすすめします。
街灯や監視カメラが設置されている場所に駐車することも大切です。
また、あわせてグッズも活用できると安心です。
防犯カメラを設置する
防犯カメラの設置は防犯性を高め、万が一盗難が発生した際に証拠として映像を確認することができます。
防犯カメラの種類はさまざまですが、異変を探知するとスマートフォンと連携し通知を確認できるものや、ライトが点灯するものもあります。
特にCANインベーダーの犯行は数分と短く、いかに早く犯行を探知し食い止めることができるかが重要です。
| 参考価格 | Amazon:5,499円 楽天市場:7,060円 Y!ショッピング:6,131円 |
※参考価格は2025年12月17日時点のAmazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングでの価格(税込み・東京都への送料込み)です。
センサーライトを設置する
センサーライトを設置することで、光を利用して犯罪行為の抑止力につながります。
監視カメラと併用することでより防犯性を高めることができます。
車庫だけではなく裏口など侵入経路となりうる場所には設置しておくと安心です。
参考:ALSOK|センサーライトの防犯効果と選び方!屋外設置のコツとおすすめ防犯グッズ(最終閲覧日:2025年11月26日)
| 参考価格 | Amazon:4,280円 楽天市場:3,318円 Y!ショッピング:3,389円 |
※参考価格は2025年12月1日時点のAmazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングでの価格(税込み・東京都への送料込み)です。
まとめ
CANインベーダによる盗難を100%防ぐことができる対策はありません。
そのため、物理的な対策、システム対策、環境対策をかけ合わせて網羅的におこなうことが大切です。
さらに重要なのは盗難手口をしっかりと把握することです。
手口を把握することで、防犯カメラやセンサーをつけるだけではなく、システム対策と、物理的な対策と組み合わせて的確に対処することができます。
CANインベーダー対策のポイントを以下にまとめました。
■ 物理的な対策
ハンドルロックやタイヤロックを使用する
■ システム対策
エンジンを始動させないグッズを使用する
■ 環境対策
監視カメラやセンサーを使用する
屋内や人通りの多い環境に駐車する






