夏にはスミレ色のキレイな花を咲かせ、ハーブに用いられるほどすっきりとした匂いをもっている果実の西洋ニンジンボク。そんな西洋ニンジンボクは成長スピードが速く、樹形が崩れやすいといった特徴があります。
このため、西洋ニンジンボクを育てていく上では剪定はとても重要です。そこで今回は、人気の高い西洋ニンジンボクが持つハーブの効能や、剪定方法について詳しくご説明していきます。
西洋ニンジンボクの剪定はどうやるの?
西洋ニンジンボクは、夏には成長する勢いを増し、大変大きく育ちます。このため、樹形を整えるだけではなく、根の負担を軽減する役割をもつ剪定は、西洋ニンジンボクを育てていくうえで大切な作業といえます。ここでは、西洋ニンジンボクの剪定に適した時期や方法についてご説明いたします。
西洋ニンジンボクの剪定時期は冬
西洋ニンジンボクの剪定は、枝と葉の量が少なくなる冬場の2~3月におこなうのがよいです。西洋ニンジンボクは、成長が盛んな樹木です。このため、夏場に大きく育って乱れてしまった枝を切り落としてあげましょう。
西洋ニンジンボクの剪定方法
剪定の目的は、樹形を整えてやることのほか、株への負担を軽減したり、余分な葉を切り落としたりすることで、栄養を効率よく花や果実に届けることが含まれています。その結果、木の健康状態をよくするのです。しかし、剪定をおこないすぎて、生育に必要な枝まで切り落としてしまうと、木の成長を助けるつもりがかえって木の枯れる原因になります。
西洋ニンジンボクを剪定する際には、夏場に成長して伸びすぎてしまった枝を軽く切り落とすだけで、剪定し過ぎないように注意しましょう。また、樹木が大きくなりすぎるのを避けたい場合には、主要な枝を切り落として成長を抑制するのもよいでしょう。
西洋ニンジンボクを増やす方法
西洋ニンジンボクの増やし方は大きく分けて2つあります。1つ目は花が咲いたあとにできる果実からとれる種をまく方法で、2つ目は切り取った枝を土に挿して増やしていく挿し木という方法があります。今回は、西洋ニンジンボクの増やし方として一般的な挿し木について説明していきます。
西洋ニンジンボクの挿し木は、9月におこなうのがよいです。3月におこなうこともできますが、3月の枝は冬を越したばかりなので、9月の枝に比べると元気がないです。このため、9月の枝のほうが挿し木の成功する確率は高いとされています。挿し木に使う枝は、新しく生えてきた、真っすぐに伸びた枝を選ぶようにしましょう。
具体的な挿し木の方法についてご説明いたします。挿し木に使う枝を選んだら、2節~3節のところで切り取ります。そのあと節の下から1センチメートルのところで斜めに切りなおしてください。次に、枝を十分に水に浸してから、挿し木用の土に枝を挿します。この際には、枝についている葉は1/2~1/3程度の大きさに切ってやるとよいです。
挿し終わったら、土の水分を切らさないように適宜水やりをして発根を待ちます。発根には2~3か月ほどかかるとされていますので、気長に待ちましょう。
大きく育ち過ぎた場合は?
西洋ニンジンボクは、大きいものだと8メートル近くにまで成長することがあります。このような高い木の剪定には、脚立やはしごに登ったり、持ち手が長い剪定ばさみを用いたりしておこなう必要があるのです。このため、剪定は重労働となり、体力が必要になります。また、はしごから落下して怪我をするといったリスクも出てきます。
このため、樹木があまりにも大きくなり過ぎた場合は、ご自身で剪定するよりもプロに依頼することをおすすめいたします。プロにお任せすれば、自分がはしごから落ちて怪我をするリスクもありません。
また、剪定のし過ぎによって樹木が枯れてしまうこともないのです。弊社では、業者による現地での無料見積りをおこなっておりますので、お気軽にご連絡ください。
西洋ニンジンボクの特徴とお手入れ方法
鮮やかで美しい花や、ハーブとして用いられる程の強い香りで人気が高い西洋ニンジンボク。ここでは、そんな西洋ニンジンボクの特徴とそのお手入れ方法について詳しく説明していきます。
西洋ニンジンボクの特徴と種類
西洋ニンジンボクは、南ヨーロッパから西アジアにかけた地域を原産地とするシソ科ハマゴウ属の落葉低木で、チェストツリーともいわれています。7月ごろには、唇形をしたすみれ色の美しい花を咲かせ、開花時期が長いことも特徴です。
また、成った果実にも強い香りがあり、昔から紅茶や女性のホルモンバランスを整えるハーブとして用いられてきました。ほかに、西洋ニンジンボクは害虫や病気に強く比較的育てるのも簡単という特徴もあり、樹木を育てるのに自信がないといった方にもおすすめできます。
育てるのに適した環境
西洋ニンジンボクは、耐陰性が弱く、日光が少ない場所での生育には向いていません。このため、鉢植えでも地植えでも、午前中から日当たりがよい場所で育てることを意識しましょう。
樹高は、うまく育てると3メートル以上の大きな木になることもあります。このため、鉢植えの場合は、比較的大きめで安定感のある鉢を選びましょう。また、地植えの場合もほかの植物と葉がかさなってしまって日当たりに影響が出てしまわないように、ほかの植物と1~2メートルほど距離をあけておくといいでしょう。
水やりや肥料は?
植えつけてから根付くまでは、水を毎日あげます。十分に根付いたら、放っておいても雨水だけである程度育ってくれるのです。ただ、夏の暑く乾燥している日には、株が弱ってしまわないように水をあげるようにしましょう。
西洋ニンジンボクは、育ちやすい植物です。基本的には、追加で肥料をあげなくとも問題はありません。ただ、株が弱ってしまった時や、もっと大きく育てたいときは肥料を追加で足してやるとよいでしょう。
肥料をあげるタイミングとしては、冬の休眠期間である2~3月が適切です。新芽を増やすための寒肥として、腐葉土や油かすといった肥料をあげましょう。
冬の間の過ごし方
西洋ニンジンボクは基本的には、耐寒性が強い植物です。このため、外でも、冬越しは可能です。地上部が一時的に枯れてしまうことがあるかもしれませんが、死んでしまうケースは少なく、順調にいけば5月ごろには芽吹き始めます。
しかし、植え付けてから時間が十分に経っていない幼苗や、霜が降りるような場所では冬の寒さによって株が枯れてしまったりするケースもあるでしょう。そういった場合はビニールなどで樹木を囲うといった寒さ対策をすると安心です。
冬越しで心配なことがありましたら、一度プロに相談してみるのもよいかもしれません。冬のあいだに業者に剪定も任せてしまえば、夏には問題なく花を楽しむことができるでしょう。
西洋ニンジンボクは香りがよくハーブに使用されます
西洋ニンジンボクの花が咲き終わった後に実る果実は、すっきりとしたさわやかな香りで昔からハーブとして使用されてきました。ここからは、ハーブとしての西洋ニンジンボクの効能や使用上の注意点についてご説明いたします。
西洋ニンジンボクのハーブとしての効果
西洋ニンジンボクはハーブとして、ホルモンバランスを整えてくれる効果があります。女性の生理痛や更年期障害などのつらい症状を和らげてくれるため、昔から広く用いられてきました。
ハーブの管理には気をつけよう
西洋ニンジンボクをハーブとして使用するうえで、気をつけなければいけないことはいくつかあります。まず、西洋ニンジンボクのハーブを子供が口にしないようにしましょう。子供にはハーブの効能が強く出てしまうなどの悪影響があるかもしれません。
ほかにも、妊娠中に口にすると流産してしまうおそれがあります。持病を持っている方や既に薬を服用している方は、一緒にハーブを使用して大丈夫なのか医師に確認してみましょう。
西洋ニンジンボクには、さわやかな花の匂いがあるだけではなく、果実には、ホルモンバランスを整えてくれるハーブとしての使い方もあるのです。西洋ニンジンボクがシンボルツリーとしてお家にあれば、気軽にハーブを楽しむことができます。西洋ニンジンボクの育て方や剪定といったお手入れに関して分からない点がありましたら、ぜひ弊社にご連絡ください。