「敷地内にミツバチがたくさんいる」
「どこかに巣があるんだろうか」
ミツバチが部屋にいたり、群れで庭木にとまっているのを見かけたりすると不安になりますよね。
「刺されたら怖いけど、ミツバチは保全対象のイメージもあるし……」と、対処に迷う人も多いようです。
もし屋内に巣を作られている気配があるなら、次のような被害を避けるためすぐに除去する必要があります。
- うっかり巣を刺激すると総攻撃される
- 巣から染み出した蜜が家屋を腐食させる
- スズメバチやゴキブリなど、他の害虫まで引き寄せてしまう
しかし、分蜂中のミツバチであればやがて移動していくため、駆除する必要はありません。
本記事では、ミツバチを駆除するべきかの判断基準から、巣の探し方と正しい駆除方法までをわかりやすくお伝えします。
ミツバチの巣は自力駆除がかなり難しいため、失敗や家屋の痛みが心配な方は1日でも早くプロの現地調査を受けることをおすすめします。
ミツバチを駆除しないほうがよいケース
蜂蜜を集める姿が可愛らしいミツバチですが、実はスズメバチより危険な面も持ち合わせています。
自然界の益虫として、また危険な害虫としても、安易な駆除が推奨できない2つのケースを紹介します。
分蜂群なら移動していく可能性がある
ミツバチは春から夏にかけて、分蜂(ぶんぽう)と呼ばれる引越しをしますが、この分蜂群をあえて駆除する必要はありません。
分蜂では、新女王蜂の誕生により急増したミツバチたちが、旧女王蜂とともに半数ほどの群れに分かれ、元いた巣から新しい巣へと一斉に移動します。
その途中で、下図のように木の枝などでひとかたまりになって休憩することがあります。
大量のミツバチの集団はちょっと怖いですが、分蜂中のミツバチは基本的に大人しく、こちらから手を出さなければ攻撃してくる心配はありません。
長くても数日経てば巣作りの場所を求めて移動していくので、刺激しないようにやり過ごしましょう。
自力駆除が危険な状況にあるとき
高所や閉所などに作られたミツバチの巣に近づくのは危険です。
生活圏内にある蜂の巣は安全のため除去するのが望ましいですが、他種と比べて温厚なミツバチも巣への危害を察知すると攻撃性が上がります。
知識がないまま巣を刺激したり、逃げ場のない状況で集団攻撃にあうことがないよう、慎重に行動しましょう。
次章より、安全に対処するために知っておきたいミツバチの習性や、巣の特徴をお伝えしていきますので、参考にしてみてくださいね。
見えない危険がズラリ!ミツバチの意外な特徴
日本に生息するミツバチは、ニホンミツバチとセイヨウミツバチの2種類です。
野生のミツバチのほとんどはニホンミツバチで、養蜂用に飼育されるセイヨウミツバチとは下記のような違いがあります。
ニホンミツバチ
体全体が黒っぽく小さめ
セイヨウミツバチ
体が黄色っぽく大きめ
ここからは、ミツバチの危険性を確認するために下記の特徴を見てみましょう。
- ミツバチの巣について
- ミツバチの活動時期
- 性格と毒性
- ミツバチによる被害例
ミツバチの巣の特徴と探し方
ミツバチの巣は板状のものが複数枚重なってできています。
1つの巣に数千匹のミツバチが生活し、ピーク時には数万匹に達することもあります。
暗所や狭所などの、目立たず手が届きづらい場所に作られるのも特徴の1つです。
家の周辺や屋内をミツバチが出入りしている場合は、普段見えない場所に巣を作られているおそれがあります。
- 雨風や直射日光があたらない場所、ミツバチが頻繁に見られる場所を中心に探す
- 家周りなら天井裏や戸袋、軒下、床下、壁の隙間、物置やガレージ内、室外機などを確認する
- 庭木の枝や空洞、茂み、廃材の中なども探す
大きな被害になりやすいのが、屋根裏や壁の中などの閉鎖空間に巣があるケースです。
このような場所で気付かないうちに巣が拡大すると、家屋への負担も駆除費用も大きくなる一方です。
ミツバチの気配が気になったら、早めに業者に調査してもらうことをおすすめします。
ミツバチの巣作り時期はほぼ一年中!
スズメバチやアシナガバチは越冬した新女王蜂だけで4~5月頃に巣作りを始めますが、ミツバチは前年からの巣で営巣し続けており、2月頃にはたくさんの働き蜂が餌を求めて活動を始めます。
ミツバチは女王蜂だけでなく働き蜂(メス蜂)やオス蜂も越冬するため、一年を通して注意が必要です。
冬になれば空っぽになった巣を撤去できる他種と違い、ミツバチは冬も巣を守って警戒しているため、常に攻撃される危険があるのです。
攻撃性は低いがスズメバチより強い毒性を持つ
ミツバチは、スズメバチやアシナガバチと比べて凶暴ではないものの、巣を刺激されると豹変します。
餌が少なくなる秋から冬は特に刺激に敏感になり、攻撃性が高まります。
また、ミツバチ1匹の毒量は少ないものの、毒性の強さはスズメバチ以上です。
針は敵から抜けにくい構造になっており、刺された針を抜こうとするとミツバチのお尻から針と毒が入った袋が取れ、皮膚側に残って毒が浸透していきます。
さらに、ミツバチは刺した際に分泌されるフェロモンで数百~数千匹の仲間に危険を知らせます。
万一ミツバチの集団攻撃を受ければ、命の危険にさらされてしまうのです。
巣にたまった蜜が害虫を引き寄せる
ミツバチが巣にためた蜜の香りは、ゴキブリやアリなどの害虫を引き寄せます。
また、秋頃の餌が少ない時期は、ミツバチの巣を狙ってスズメバチが集まることも。
さらに、スズメバチに襲われた巣のまわりはミツバチの死骸だらけになります。
手が届かない場所に巣があると、大量の死骸やその他の害虫にも対処できず、不衛生な状態で放置することになってしまいます。
巣から染み出す蜜で家屋が傷む例も
ミツバチは越冬しながら、同じ巣を次の季節以降も使い続けます。
家の中に巣を作られた場合、染み出してくる蜜で壁や天井が汚れてしまいます。
そのまま放置しておくと家屋が腐敗するおそれもあるため、早めの対処が必要です。
天井裏などの暗い閉鎖空間や、手が届きにくい壁の中などに巣を作られた場合、ミツバチ駆除を自分でおこなうのは非常に難しく危険です。
駆除の際は、巣の除去はもちろん掃除・消毒・今後のための予防対策なども必要になります。
困ったときはムリせずに、これらすべてをまとめて任せられる専門業者に相談して被害を食い止めましょう。
※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積もりに費用をいただく場合がございます。
※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積もりに費用をいただく場合がございます。
ミツバチ駆除を自分でおこなう方法
巣が小さく開放空間にある場合など、「ミツバチ駆除を自分でできる」と判断したときも油断は禁物です。
必要な道具や、ミツバチ駆除の方法を事前によく確認し、身を守るための準備を万全にしておきましょう。
自力駆除に必要なもの
- 殺虫スプレー
- 長い棒
- 懐中電灯
- ゴミ袋
- 安全装備(下図参照)
- 防護服
-
蜂駆除専用の防護服もありますが、購入すると高額になります。
自治体によっては借りられる場合もあるので問い合わせてみてください。
手持ちの服で代用する場合は、蜂の攻撃から身を守るためにも白色で厚めの生地のものを選びましょう。 - 防護メガネ
-
蜂は黒いものに反応する習性があります。攻撃されないようにメガネで目を保護しておきましょう。
- 殺虫剤
-
長く噴射し続けるために、新品の殺虫スプレーを2本ほど用意しておくと安心です。
- 長い棒
-
巣を落とすときに使うため、巣に届く長さの棒を用意しましょう。
- 懐中電灯
-
蜂は赤色を認識しにくいため、赤い光を放つもの、または赤いセロファンを貼っておきましょう。
- ゴミ袋
-
駆除した巣や蜂の死骸を入れるための袋です。
ミツバチ駆除をスプレーでおこなう手順
- 蜂の巣から2~3m離れた距離から巣の表面へ殺虫剤を噴射する
- さらに巣の中にも殺虫剤を噴射する
- ゴミ袋を巣の下に置いておく
- 棒を使ってゴミ袋の中に巣を落とす
- トングなどを使い地面に落ちた巣のかけらや蜂の死骸もゴミ袋へ入れる
- ゴミ袋の中にも殺虫剤を噴射して袋を閉じる
※画像の巣はアシナガバチのものですが手順は同じです。
ミツバチの巣に殺虫剤が届いても、手が届きづらい場所だとその後の処理がきちんとできません。
また、ミツバチは巣が巨大化しやすく、重すぎて個人では運び出せないことも……。
駆除半ばで収拾がつかなくなっては大変ですので、着手前の正しい判断が大切です。
自力駆除ができる条件や、蜂の巣駆除など、詳しくは自分で蜂の巣を駆除する方法をまとめた記事でも確認できます。
少しでも自力駆除に不安を感じたら、業者の無料相談や現地調査を利用してみるとよいでしょう。
※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積もりに費用をいただく場合がございます。
※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積もりに費用をいただく場合がございます。
ミツバチの巣の駆除の依頼先
ミツバチの駆除や巣への対処についての相談先は、次の3つです。
- 駆除業者
- 市役所
- 養蜂場
「駆除する場合」と「駆除を避けたい場合」どちらもご紹介しますので、自分に合った方法を選んでくださいね。
業者に駆除を依頼する
ミツバチは数が多く、駆除の難易度も高いことから、プロでも作業に時間がかかります。
特殊な道具が必要となることもあり、下図のようにアシナガバチよりも料金相場は高いです。
ミツバチ駆除の平均費用がやや高めになる理由は、業者のサービス内容が巣の撤去だけでなく、大量に出る蜂の死骸や蜜などの汚れの除去までカバーされている点にあります。
また、ミツバチは巣を刺激されると獰猛になる、巣が大きく重いという特徴を持ち、素人が自分で駆除するのは危険です。
このようなハイリスクな作業を後片付け込みで任せられるのは、業者依頼の大きなメリットといえそうですね。
ミツバチ駆除の料金
前章の図ではミツバチ駆除の料金相場は43,791円とお伝えしました。
これを見て「けっこう高いな」と感じる方は多いと思いますが、実際には4万円以内で収まるケースが最多となっています。
上図は、弊社加盟店による駆除費用データを金額ごとにグラフ化したものです。
この図から、ミツバチの駆除費用が4万円を超える事例は全体の4割程度で、半数以上がそれ以下に収まっていることがわかります。
ミツバチの数が増えて巣が大きくなるほど料金は上がるため、1日でも早い依頼がベストです。
詳しくは蜂の巣駆除の費用相場をまとめた記事をご参照ください。
蜂駆除業者への依頼の流れ
プロ依頼が最適だとわかっても、業者を利用したことがない方は、なにをどうすればよいのかわからず不安になってしまうのではないでしょうか。
ご参考までに、ハチ110番のご利用の流れを簡単に紹介します。
ハチ110番では上記のように最短2ステップで、蜂の巣駆除の調査や見積りが依頼できます。
実際の料金を見てキャンセルか依頼かをじっくり選択でき、急ぎであれば即日対応してもらうことも可能※です。
※加盟店、現場状況等により、記載での対応ができない場合がございます。
業者や料金についての相談だけでも利用もできますので、ぜひ気軽に活用してみてくださいね。
※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積もりに費用をいただく場合がございます。
※対応エリア・加盟店・現場状況により、事前にお客様にご確認したうえで調査・見積もりに費用をいただく場合がございます。
市役所に相談する場合
ミツバチの駆除を市役所に依頼できるのは、巣が公共施設や道路などにある場合です。
個人の敷地内では、多くの自治体がスズメバチにしか対応していません。
ミツバチの場合、蜂駆除に必要な道具の貸し出しを利用できることが多いです。
蜂トラブルに関する相談のみ受け付けている市役所もあります。
詳しくは、蜂駆除の市役所対応をまとめた記事もご覧ください。
注意点として、市役所は土日祝日は休みの場合が多く、すぐに対応してもらえないこともあります。
急いで駆除したい場合は業者に依頼するのが確実です。
養蜂場に引き取りを相談する
花粉を運んだり蜂蜜を作ったりと、益虫でもあるミツバチの駆除をためらう方もいらっしゃいます。
お近くに養蜂場があるなら、引き取ってもらえるか相談してみるのも1つの手です。
ただ、冒頭でも少し触れましたが、養蜂用として歓迎されるのは蜂蜜の採取量が多いセイヨウミツバチです。
野生のミツバチのほとんどはニホンミツバチで、蜂蜜の摂取量はセイヨウミツバチの10分の1程度しかありません。
ミツバチの種類によっては引き取りが難しいため、事前にその点も確認しておきましょう。
養蜂家の連絡先がわからない場合は、都道府県の畜産課や養蜂組合に問い合わせるのがおすすめです。
ミツバチに刺されないための方法
身近にミツバチがいる場合、下記のことに気を付けて刺されないようにしましょう。
- 近寄らない
- 香料に気をつける
- 食べ物や飲み物にも注意
- 黒色を避ける
ミツバチは、強い刺激を与えたりしない限り基本的には刺してきませんが、他の蜂と同様に食べ物やジュースの甘い匂い、香水や整髪料、柔軟剤の香りなどに寄ってきます。
そのため、夏に外で甘い香りがするものを身につけるのは控えるほうが無難です。
また、攻撃されやすくなる黒っぽい服は避け、頭髪や目を守ることも心がけましょう。
万一ミツバチに刺されてしまった場合
蜂に刺された場合の処置として、一般社団法人 大阪府医師会では下記の対応を推奨しています。
次のような手順で処置をし、安静にします。20分ほど様子を見て、異常がないようなら、ひとまずは安心です。様子がおかしいと思ったら、ただちに医療機関を受診するようにしましょう。
出典:一般社団法人 大阪府医師会 (最終閲覧日:2023年7月11日)
- 刺された傷口を流水でよく洗い流す。ハチの針が残っている場合は、そっと抜く。
- 傷口から毒をしぼり出す。口で吸った場合、毒は必ず吐き出しましょう。
- 抗ヒスタミン軟膏などを塗り、冷やす。
- 息苦しさや口の乾き、冷や汗、めまい、血圧低下、しびれ、嘔吐、じんましんなどのショック症状が現れた場合は、一刻も早く救急病院で医師の診察を受ける。
【まとめ】ミツバチ駆除の必要性と安全な対処法
ミツバチの巣を放置すると、家屋を傷めたり害虫を引き寄せることにつながります。
「巣は見当たらないけどミツバチが自宅周辺や家の中を飛んでいる」という場合も、付近に巣を作られているおそれがあるため早めの調査が大切です。
ミツバチは数が多く、危険な高所や閉所に巣を作りやすいことから、スズメバチやアシナガバチよりも駆除が難しい場合があります。
安易な自力駆除は避け、安全・確実に駆除できる業者に依頼されることをおすすめします。
「どこに依頼すればいいのかわからない」「何社も比較したり見積りをとるヒマがない」という方は、条件にピッタリの蜂駆除業者がサクッと見つかるハチ110番が便利ですよ。
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